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第20話 お仕置きの始まり

 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…  息が上がって、足が重い。佐野に支えられながら歩を進める。 「大丈夫?苦しそう。でも、我慢できるよね?」  俺の後ろの内壁には、今日使用していたイボ付きのローターが挿入されている。もちろん入れたのは佐野だ。苦しそうな俺を見て、佐野は少し嬉しそうだ。 「…ああ…問題、ない…」  井沢の一件の後、佐野は俺を近くのトイレに連れ込み、「お仕置き」と言って窄まりにローターを入れてきた。ド変態の俺は期待で胸を膨らませ、次の行為を待った。  しかしその後、佐野は何もして来ず、ただただそのまま電車に揺られ、歩かされている。これが佐野の言う「お仕置き」なのか。 「着いたよ」  佐野に促されるまま、門をくぐり抜けて奥へ入っていく。 「佐野…はぁ、はぁ、はぁ…ここがどこなのか、教えて欲しい」 「ここは俺の家だよ」 「……え?」  少し歩くと、大きな屋敷が目に入った。どう見ても普通の家の形状ではない。窓が多い開放的な屋敷で、前庭に25メートル以上はありそうなプールが設置されている。  佐野が玄関ドアを開けると、安堵感からか足に力が入らなくなり、倒れそうになった。すかさず佐野が抱きかかえてくれた。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…そろそろ中のローターを抜いて、欲しい…」  佐野に抱かれながら目を開けると、室内も優美なロココ様式で、快感に拍車がかかるような空間美だ。 「それはダメだよ。だって、春久とキスまでしてたよね?あれ、どういうつもり?」  見上げる佐野の表情には、いつものかわいらしさや優しさがない。 「そ、それは……いきなり井沢に押さえつけられて…逃れられなかったんだ…」 「そもそも、なんで春久と2人きりであんなところにいたの?」  佐野の表情は暗いままだ。佐野の言う「お仕置き」とは、プレイの一環かと思っていたが、どうやら本気で怒っているようだ。 「……佐野を怒らせるつもりはなかった。だが、怒らせてしまったのなら謝る。申し訳なっ……ひゃっ!」  佐野は俺のパンツを脱がして腰を上げ、蜜をダラダラと流し続ける窄まりを見つめた。 「そ、そんなに…見ないで、欲し……っあぁっんっ…!」  佐野は、目の前の窄まりに「ふー…」と息を吹きかけて、潤ってヒクつくヒダを見つめている。しかし、それ以上のことは何もして来ない。俺の窄まりと前の屹立は、次の行為を期待して、愛液を垂れ流し続けている。 「こんなに我慢汁流して喜んで、全然反省してないよね」 「し、してる……あっ!」  佐野は俺を抱きかかえ、奥の階段の方へと連れて行った。そこに立たせ、俺の手を後ろ手にして手摺りに縛り付けている。縛っているのは、俺のピンクローターのコードだ。 「な、何している」  佐野は俺の右足を持ち上げ、窄まりに入っているローターを一気に引き抜いた。 「ひゃっあぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!」  数分間の移動で、中のローターはだいぶ奥まで入ってしまっていたようだ。佐野がローターを引っ張ったことで、内壁の奥から前方まで一気に快感が駆け抜け、一瞬にして果ててしまった。  前の屹立は、力無くダラダラと白い液体を垂らしている。 「なんで勝手にイッたの?イッて良いなんて言ったっけ?」 「いや……佐野は何も言っていない」 「そうだよね。今お仕置き中なんだけど」 「も、申し訳ない……」  佐野の表情をうかがうが、無表情で何を考えているのか分からない。 「えっ!な、何してっ…ひゃっ!」  佐野は持ち上げた俺の右足を、先ほど窄まりから抜いたローターのコードで、手摺りに縛り付けている。 「前から見ると、りょうのエロいところ全部丸見えだね。玄関から人が入ってきたら、すぐ目に入るね」  俺の目の前は玄関だ。いま人が入ってきたら、非常にまずいことになる。 「じゃあ、俺はお風呂の準備しながら着替え取ってくるから。りょうはそこで待ってて」 「なっ!佐野、ちょっと待て。こんな姿を誰かに見られるのはまずい」 「そうだよね。そろそろ俺の親が帰ってくる頃かな」  佐野の両親との初対面がこんな姿なんて、ありえない。前からは白濁の愛液がまだポタポタと垂れており、太ももには後ろの蜜が伝っている。 「佐野、お願いだ。コードを解いてくれ」 「だから、お仕置きって言ったよね?」  予想外のお仕置きで、頭の中が混乱している。 「じゃあ、待っててね」 「佐野!ちょっと待っ……」  佐野は本当に家の奥の方へ行ってしまった。今は、佐野の両親が帰って来ないことを祈るしかできない。

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