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第21話 恐怖と快感

 時間が長く感じる。体感的には30分以上が経過しているが、コードがそこまで肌に食い込んでいないので、実際は5分も経っていないと思われる。 (佐野、早く来てくれ…)  秋が近づいてきて、最近は外が暗くなるのが早い。だからだろうか、すぐにでも佐野の両親が帰ってきそうで恐怖を感じる。  階段の手摺りに、下半身丸出しで縛り付けられている俺の姿は、逆に佐野の両親に恐怖を与えてしまうかもしれない。  こんな状況なのに、後ろの窄まりから液体が流れ続けている。佐野の高まりを強く求めて、よだれを流しているのだ。 「お待たせー。あれ、床濡れてる。こんな状態なのに、後ろも前もビチャビチャじゃん。りょうは本当に、変態だなあ」 「佐野っ、早くコードを解いてくれ」  俺は、1秒でも早くコードを解くように佐野を急かすが、肝心の佐野は俺の窄まりを覗き込んでいる。 「佐野、見てないで早く解いて」 「最高の眺め」  佐野は急ぐどころか、舌舐めずりをして俺の窄まりをじっくりと観察している。 「佐野っ、ふざけてないで早くっひゃぁんっ!…や、舐めないでっ…」  ——ジュルッ、ジュルル、ジュルッ、ジュルル、ジュルッ、ジュルッ、ジュルッ、ジュルッ、ジュルッ、ジュルッ…  佐野の舌が、俺の窄まりを舐め回している。さらに、数本の指が侵入してきた。 「んっあっあぁ……佐野っ…ほど、いてっ…こんな姿、誰かに、見られたら……まずいっ…んっ…」 「こんなまずい状況なのに、中すごいよ。俺の指を折りそうな勢いで、絡みついてくる」 「やっ…やめっ…なん、か…変なかん、じ…」  大きな波が押し寄せてくるような、今までとは少し違う、何かが自分の内奥から湧き上がってくる感覚がある。 「さっきイッたばっかなのに、もうイキそうなの?」  話しながらも、佐野の指は内壁で動き続けている。  ——グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ、グジュッ  今この瞬間に、佐野の両親が帰ってきたらどうなってしまうのだろう。その恐怖感と快感がせめぎ合い、今まで感じたことのない悦びが全身を包む。 「ひゃっあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁーーー」  後ろの窄まりから勢いよく液体が吹き出し、佐野の顔を濡らしてしまった。 「あーあ、こんなに潮吹いちゃって。本当に反省してるの?」 「……し、している…」 「…とにかく、お風呂できれいにしないとね。お互いビチャビチャだよ」  佐野はそう言うと、コードを解いて俺を抱きかかえ、歩き出した。  連れて行かれた脱衣所は、6畳以上はあるだろうか。これまた優美で、ホテルのようだ。佐野は、さも当たり前のように俺の服を脱がしている。そして佐野も、自身の服を脱ぎ始めた。  そういえば、佐野は俺の身体の全てを見ているが、俺は佐野の局部以外見たことがない。  全ての布を剥ぎ取った佐野の身体は、この屋敷に映える美しさがあった。俺の貧弱な身体とは異なり、ほどよく筋肉がついていて屈強さを感じる。 「そこに手ついて」  洗面台に手をつかせ、俺は臀部(でんぶ)を突き出す体勢になった。佐野は自身の高まりを、俺の窄まりに突き立てる。 「あぁっ!…きもち、いい……」 「りょう…エロすぎるよ。もう我慢できないっ…」  佐野は腰を振りながら、俺の2つのつぼみをつまんだ。 「ひゃっぁあ!」  その刺激に背中が自然と反れることで、さらに佐野の高まりが自身の奥深くに到達する。  前を見ると、巨大な鏡があることに気づいた。そこには、佐野に抱かれる自身の姿があった。自分自身の、あまりに官能的な表情に驚く。  ——グチュ、グチュ、グチュ、グチュ、グチュ、グチュ…  卑猥な音を立てながら、佐野は俺を揺さぶっている。佐野の気持ちよさそうな表情が、情欲をそそる。 「佐野っ…またっ…イキそっ……」 「……俺も、イクっ…」  佐野の高まりは、強く何度も内壁を犯し、佐野の欲望が解き放たれた。その直後、俺の窄まりから大量の愛液が噴き出した。

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