46 / 56

第46話「許してもらえるまでたっぷりご奉仕」

『ご奉仕』だなんて言いながら、主導権は俺にないのはわかりきっていたことで、ベッドに入ればいつも通りノアの下でされるがままに喘がされる。それが狂ってしまうほど気持ちよくて後戻りできないくらいには癖になっているんだから、俺の方が断然ド変態なのかもしれない。 「ひゃぅっ!?ぁっだめっ、ノアッ!きた、なぃ・・・。」 「汚くなんてない、綺麗だよ。」 さっきまで布越しに俺の膨張したモノを撫でながら、ぷっくりと膨れたピンク色の乳首を口に含んで舌で転がすようにして弄っていたのに、いつの間にかノアは下に移動していたらしい。俺の下着をずらすと、硬さを増して反りあがった俺のモノをおもむろに口に含んだ。ノアの頭を掴んで必死に引き離そうとするが、下半身に与えられる快感が強すぎて、すぐさま力がふにゃふにゃと抜けていく。 「だめ、ノアッ…それ、やだぁ…。」 フェラをするのはいつも俺だ。行為中は常に主導権を握られている俺だが、フェラ中だけは俺が主導権を握っているみたいな気がしてちょっと優越感に浸っている。   気持ちよさそうな顔のノアを下から見上げるのは結構ぐっとくるものがある。それなのに、何を思ったのか今日はノアが俺のモノを口でしてくれるらしい。これも『ご奉仕』の一環ということなのだろうか。 恥ずかしいし、ノアにこんなことさせるのが申し訳なく思い今すぐやめてほしいと思っているのに、口でされる初めての快感に溺れて、やめてほしくないと思う自分もいて、もう自分でも何がなんやらわからなくなってくる。ぐずぐずと半泣き状態になって、顔を手で覆い隠すとすぐノアにそれを阻止された。 「だめ、ちゃんと見てて。ほら、僕初めてでわからないから。大我がいつも僕をどうやって気持ちよくさせてるのか、教えて。」 俺に見せつけるかのように、先端をちろちろと舌で舐めながらノアが俺の指示を待つ。上目遣いで俺を見つめるノアは本当に男か?と疑ってしまうくらい美しい。 「んっ…下から上に舐めて。はぁ…んぅ、そう…。で、先を咥えて…はぅっ、ふっ…んぁっ。」 綺麗な赤色の下をれろっと出せば、俺の指示通りゆっくりと舐め上げたり咥えたりする。気持ちいい?と上目遣いで聞いてくるノアにぐっとくる。いつも行為中にノアが俺の頭を撫でて褒めるのを真似して、一生懸命俺のモノを咥えるノアの頭を撫でて、気持ちいい、上手だよ。と言えば、目を細めてくすぐったそうに笑う。  やる側の方がいいと思ってたけど。確かに、やってもらう側にはまた違う良さがある。何よりも、俺のモノを咥えて一生懸命な姿のノアが可愛すぎてたまらない。快感を感じながらも、ぼんやりとノアの顔を見ていると、ぢゅうっとノアが先端を含んで吸い上げた。 「あ゛っうぐっ…はぁ、うぅんっ…の、あッ…も、だめ、イクッ――」 腰をくねらせて絶頂を迎えた俺ははぁはぁと荒い呼吸をしながらベッドにぐったりと横たわる。ノアの顔をちらりと見た瞬間、俺は青ざめた。ノアの顔に白濁した俺の液体がべったりとついていたのだ。 「ノアっ!?ごめ、俺、その、顔にかけるつもりはなくて、本当に本当にごめん!」 慌てて起き上がると、ベッドサイドに置いてあるティッシュを数枚抜き取り、ノアの顔を拭いてやる。興奮するかと思ったんだけど…と、ぼそりと呟くノア。その発言だと、毎回、俺の顔にお前の液体がぶっかかってる姿に興奮しているということになるんだが…。いや、この件についてはこれ以上踏み入らないでおこう…。 液体を拭き取り少し離れた場所にあるごみ箱にティッシュを投げ入れると、たーいが♪と、上機嫌なノアがタックルする勢いで抱き着いてきてそのまま2人一緒にベッドに倒れた。ノアの腕に包まれてぎゅーっと大切な物を閉じこめるみたいに抱きしめられる。気持ちよかった? うん、上手だった。 ふふっ、よかった。 なんて、ピロートークのような会話が繰り広げられて甘い空気が漂う。え、もしかして、これで終わり?心がざわつく。顔をあげると、微笑んでいるノア。 「それじゃ、これで許してくれるよね?」 あっ――ノアの言った言葉が蘇る。 『大我の気の済むまで、僕がたっぷりご奉仕するよ』 これで許したら、もうこの先はない…?逆に俺がまだ許さないって言えば…。 「…こんなんで、許すわけないだろ。」 今さっきまで甘い空気を漂わせていたのに、今更まだ怒っている素振りを見せたところで何の意味もないとは思いながらも、キッとノアの顔を睨みつける。ふふっと笑うノアの背景がぐるりと回転したかと思うと、ノアは俺の上に跨っていた。 「それじゃ、まだまだご奉仕、しないとね。」 ちゅっちゅっと俺の首筋に何度も角度を変えてキスを落としながら、ズボンと一緒に下着を下ろしてゴムを取り出すノア。服の下から出てきたぐんっと上を向き、苦しそうなまでに膨張して血管が浮き出ているモノを見て、俺は頬を引きつらせた。 「お前、そんな状態で俺が許すって言ってたらどうするつもりだったんだよ。」 「ふっ、バレちゃったね。大我がさっきのだけで許してくれるはずないってわかってたから。」 にやりと笑いながら焦らすように自分のモノを俺の入り口に擦り付けるだけでなかなか中に入れてくれない。本当はそんな余裕もない癖に、どんだけ俺におねだりさせたら気が済むんだよ。もうどっちがご奉仕をしているのかわからない状態ではあるが、俺はノアの求めている言葉を口にする。 「ノア、早く。中にきて…。」 ノアに腕を伸ばすと、自ら俺の腕の中に入ってくる。ぎゅうっと俺がノアを抱き寄せるのと同時に、硬くて熱いモノが俺の中にずぶっと厭らしい音をたてながら入ってきた。 「んはぁっ…あぁ……ノア、すきぃ…。」 初めの頃は慣れなくてなかなか入らなかったのに、回数を重ねるごとに俺はすんなりノアを自分の中に受け入れる体になってしまった。ずぷずぷとノアを自分の中に引きずり込むようにして飲み込めば、眉間に皺を寄せて、う゛ぅ゛っ…と気持ちよさそうな声を出すノア。はぁはぁと肩で息をして、必死にイきそうになるのを耐えるノアが可愛くて、俺はいたずらをしてやった。逃げられないように足で腰をがっちりホールドして自ら腰を振る。いつもやりたい放題されているんだ。たまには俺から仕掛けても罰は当たらないだろう。 「大我ッ!あっ…今は、待って、ふっ…うぁ…動か、な、いでッ!」 目をぎゅっと瞑って必死に耐えるノア。もう一押しだ。俺は腰を振りながら、ノアの口内に舌を入れた。もちろん、逃げれないように、後頭部をがっちりホールドして。ずちゅずちゅ、と上からも下からも厭らしい音が鳴り響き、どちらのものかわからない喘ぎ声が混ざり合う。 「んんんっ…っはぁ…たい、が…うぐっ…も、無理…イ、きそ……はな、し、て……ふ、ぅあ゛ッ大我ッ…!も、だめ……イクッ……!!!」 ドクドクと俺の中で大我のモノが大きく波打ち、びゅるるっと中で液体が放出されるのがわかった。ノアの腰を開放してやると、ずるっと俺の中から自身のモノを抜いて、ゴムをつけたまま、俺の横に倒れ込んだ。  俺がノアをへたらせるほど気持ちよくした。そのことが俺にとってはこの上ない喜びとなりなんだか勝ち誇った気分になった。気分をよくした俺はわかりやすく調子に乗った。ノアのモノからゴムを取り外し、くるっと器用にくくってそこらへんに投げ捨てると、俺はノアに馬乗りになる。目を丸くさせ、何をする気なんだと少しだけびびっている様子のノア。俺の下で、可愛く震えているノア。なんともいい眺め。ノアのモノを軽く扱いてやるとすぐに元気を取り戻した。体力化け物級かよ、と思いながら、すでに硬さを取り戻したノアのモノを俺の入り口に擦りつける。 「まだ俺許してないよ。ご奉仕、足りないんだけど?」 腰をゆっくりと下ろして、再びノアのモノを俺の中に迎え入れる。何度かピストンをすればノアのモノは完全に元気を取り戻した。 「んっ、はぁっ…あっあっ……うぅ~……ノアぁっ…ひゃぅっ!?」 呼吸を合わせて2人でリズムよく腰を振っていると、ノアの先端が俺の中のいいところを突いたせいで、腰が砕けてノアの上に倒れ込んだ。重なる素肌が気持ちいい。ノアの心臓に耳を当てれば、ドッドッドッと早い鼓動がうるさいくらい鳴っているのが聞こえた。ノア、俺にドキドキしてくれてる。嬉しい。ノアの胸にすりすりと頬ずりをすれば、優しく髪を撫でられた。 「大我。まだ僕の事、許してくれない?」 見上げると困った顔のノア。そんな顔してもまだ許すつもりはない。なんせ、今やっと俺は主導権を握ったのだ。これを易々と手放すわけにはいかない。俺の下で好き放題されてるノアなんて、次いつ見られるかわからないんだから。ぷくっと頬を膨らまして俺は言う。 「こんなんじゃ許せれないね。」 「そっか…。じゃあそろそろ本気で許してもらえるように頑張らなきゃだね。…誘ってきたのは大我の方だから、今日は優しくできないよ。」 言葉の意味を理解するより先に、ノアがぐんっと俺の奥を突いた。 「ひっ!?やっ、な、にっ!?あぁあっ……んんッ……!?」 容赦なくぐぽぐぽと最奥まで突かれ、ぎりぎりまで抜かれを繰り返す激しいピストンに、頭も身も心も全てぐちゃぐちゃに侵されていく。いつの間にノアが上になってんだっけ?ノアってこんなに激しいセックスする人だったっけ?いつもはもっとゆっくりじっくり俺に合わせて甘い時間を作る人で、なのに、なんで…。でも、すごい…これも…。 「きもち、いいッ……!すき、あぅっ!すっ、きぃ……っ!ノアっ、ひっ!?らめっ…も、きちゃ…ふぁ、あ゛あッ!!」 弓のように体を反らせて俺は絶頂を迎えた。それなのに、ノアの動きは止まることなくイっている間も容赦なく腰を打ち付けられる。 「あ゛ッ!?~~~~ッ!!も、いってりゅっ、いってりゅ、か、らぁっ…!!あ゛ッ、んああ゛あぁッ!?とまっ、てぇっ…!!な゛んれ、…あぁッ…イ゛ッて゛る゛のに゛ッ!」 イってすぐに与えられる刺激は強すぎて、またすぐに絶頂へと誘われあっけなくすぐに2度目の絶頂を迎えてしまう。ガクガクと痙攣する足。呂律も上手く回らなくなって俺の口からはだらしない喘ぎ声が漏れ続ける。 「大我ッ……大我はこんなんじゃ、まだまだ、んっ…許して、くれない、よねっ……。」 「あぅ…ッあっ…!…っ!ん、ん゛ぅう゛っ!ゆる、しゅっ!ゆるしゅ、からぁッ!!ひ、あ゛ッ、やらぁっ……!またキちゃうッ……きもひ、ぃッ、も、らめぇっ!ひっ!きもち゛ぃのこあい゛ぃ!ああぁっ!!」 気持ち良すぎてぐずぐずと涙を流しながら3度目の絶頂を迎える。もうほとんど出し切った俺の体内からは少量の液体しか放出されなかった。完全に力が入らなくなりぐったりとした俺の腰を持って、激しさが増しラストスパートへと向かうノア。顔を歪ませ、口から零れるように気持ちよさそうな声を出す姿が、男に向けて言う言葉ではないとは思うが、艶めかしいという言葉がぴったりだ。 「大我ッ、きもちいいよ……はぁ、好きだッ…うぁっ……あ゛ぁ゛ー大我…すご、く……イイッ…!!」 「ノアッ、も…んぁ…っ!あっ…!やめ、あ゛ぁっ!!おかし゛く゛な゛り゛ゅッッ…!!も、おく、やぁんっ!!むり、らからあ゛…ッま!?…ま゛ッて゛え゛ッ!!ひ、あ゛ッ、ま、たぁッ……イ、くッイッちゃ、あ゛あッ~~~~イッ……ッッ!!!」 「モンスターが現れたピプ!さぁ大我!早く変身して地球のへい、わ…を…まも……。」   俺が4度目の絶頂を迎えるのと同時だった。ステッキを持ったピプが、快楽に溺れぐずぐずに泣きながらイっている俺の視界の端に現れたのは。そして、俺の中の締め付けでノアがう゛あ゛と喘いで果てるのと同時くらいに、顔を真っ青にしたピプがとてつもないデシベルで叫んだ。 「な、な、な………なぁ~~~~~にやってるピプかぁ!?お前らぁあ~~~~~~!!!!!!!???????」 ピプリット大先生の言う通り。我々はぐうの音もでません。

ともだちにシェアしよう!