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第6話
舞台の裏に進んでいくとさっき僕を助けてくれた男性 がジュラルミンケースを持っていた
「あーっと、お前の親父の借金は1600Gで、利息が25%で400G。3000Gは、9番いや、クリス......お前のもんだ」
「え......」
「よかったな、クリス」
大きな手がポンポンと僕の頭を撫でる
その仕草が『偉いぞ~、クリス』そう言って頭を撫でてくれた生前の父と重なって少し苦しくなった
「あの......ありがとうございます。僕を、そのっ」
「私は、アルフレッド・レノンドアールだ。よろしく。クリス」
「よっよろしくお願いします。アルフレッド様」
「アルでいいよ。クリス」
アル......アルバート
『おにいちゃ』
アルッ――!
赦して赦して!助けられなかった兄ちゃん を
答えは、返ってこない
これが、罰なんだろうか?
一生、赦してもらえない
「アッアルッ......アル~。ごめっごめんねアル」
「クリス?大丈夫か?泣かないで」
苦しくて苦しくて
暫く僕は、アルの腕の中で泣きつづけた
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