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第10話

説得力0かも知れませんが、僕と公爵様はまだ清い関係 グレーじゃないの?という疑問は、受け付けませんっ! 今日は、午前中政務やレッスンをして、午後から公爵様とお庭デートです! キャー!言っちゃいましたっ! 「クリス?大丈夫かい?」 「あ、はい。大丈夫ですっ」 レノンドアール公爵家のバラ庭園は、王宮の庭園に匹敵するほど有名なんだとか 噂通り目の前に広がるのは、芸術的に綺麗に調えられた木々 目に留まるのは、色とりどりのバラの花たち 柔らかな風が運んでくるのは、上品で仄かな甘い香り 「綺麗ですね。他に言葉が思いつかないくらい」 「ハゼルード1輪、いいか?」 「はい、旦那様」 気の良さそうな相貌の庭師さんが少し曲がった腰を更に曲げる 「何色がようございましょうか?」 「クリス、好きな色は?」 「あ、あの......僕」 目の前には、綺麗に咲き誇る美しく愛らしい花 とても、手折るには惜しいものばかりだ 花瓶につければ、早々に枯れてしまう もっと長く本来の寿命まで見たい 「クリス?」 「どれも、綺麗で選べませんから......お願いが......」 「なんだい?」 「いつも、近くにあって見るのではなくて......こうして、お庭で長い期間眺めたいと、言いますか......」 「いいのかい?」 「はい。綺麗に咲いているのに、短い命なんて見ているこっちが居たたまれないというか......」 「......」 言っていて何だか子供じみているようで、恥ずかしくて、俯きがちになっていると反応が返ってこないことに気づく ハッと顔を上げると、何故だかキョトンとしている公爵様とニコニコしている庭師のハゼルードさん 「坊っちゃん、いいのを貰いましたな」 「まぁ......な」 昼食が東屋(ガゼボ)に用意されたと伝言しに来たノアさんに案内されて、昼食にありついた お皿に次々と食べ物が置かれていく 「ア、ル......も、食べきれませっ」 「沢山食べて、英気を養ってもらわないとな?ノア」 「はい。いずれ奥様には、この公爵家を旦那様と共に背負っていただきますので」 2人に説得させられ、昼は普段より少し多くとった後、動けない僕を気遣って旦那様と2人で少しの間東屋で過ごすことになった 「クリス、ここにおいで」 ポンポンと叩かれるのは、彼のお膝の上 微笑んではいるものの、有無を言わせぬ雰囲気が漂っている 断るのは、諦めて恐る恐る彼のもとに近づく 「お、重いですよっ」 「?つい最近、軽かったと記憶しているが?」 「!」 それが、閨のレッスンの際のことであると気づいて顔が熱くなった 「初だな。愛らしいよ」 「からかいましたねっ!は、恥ずかしぃれすっ」 顔をなるべく見られないように彼に背を向けて膝の上に乗る すると、両脇から腕を回されて抱き締められた形になる 「私は、嬉しかったんだよ。君の答えがね」 「......僕、の答えですか?」 「ああ、ハゼルードにバラを切らせなかっただろう?」 「それは......単にもっと長く綺麗なまま見たかったら、で......」 しどろもどろに答えると、「それでも、私は嬉しかったんだ」と言われ、耳元に熱い息を吹き掛けられた 「あっ耳っ!やっ......はぁぁっ!」 「耳が弱いね、耳だけで気をやりそうだ」 「!だ......ルがするか、ら」 「私するから?」 しまったっ!と思ってももう遅い クルッと身体ごと半回転させられて、間近に彼の顔があった 視界いっぱいに深いブルーの瞳が真剣にこちらを見つめる 「......う、ん......貴方だから、だよ?」 見惚れて半ば空で答えると、綺麗に今までとは違う 上品だけど、何処か違う笑みを浮かべて強く抱き締められて、口を塞がれる んっ......んぅっんん......はぁんっはんっ キスされたと気づいたときには、咥内を深く犯されていた

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