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②
「ルーファス?なんでアイツが出てくるの?」
それがメイドさん達の噂話と、関係があるんだろうか?
アイツがメイドさんの間で、一番人気なのは知ってたから…噂されても何らおかしくはないんだけどさ。
それとオレが避けられてるのとは、関係ないと思うんだけど…。
「や、それがさ~…」
「ジーナ!やっぱりダメだよ!」
言いにくそうにしながらも。
口を開こうたするジーナの腕を、ロロが慌てて引っ張ると。
ジーナは不満そうに口を尖らせ、反論する。
「けど、セツにとっちゃ一大事じゃねーかよ。だって、あのルーファスが…」
ルーファスの名に、胸が熱くなるオレは。
次に語られた事実に驚愕し、言葉を失った。
「ルーファスが…─────メイドとデキてる、なんてさ…!」
「え…?」
信じ難い内容に、目を丸くするオレは。
それを頭で反芻しながら…途端にモヤモヤとした感情に苛まれる。
え…ジーナは今、なんて?
ルーファスが、メイドさん……と?
「えっとねセツ!噂ではね、ルーファスがメイドさんと仲良さそうにしてたってだけでねっ…」
「仲良くって…抱き合ってたんだろ?アシュじゃあるまいし、ルーファスが普通するワケねぇだろ?」
ショックで立ち尽くすオレに気を遣い、ロロは弁解するけれど。嘘や隠し事が嫌いなジーナは、正直に聞いたままを伝えてくる。
「ちょ…ジーナってば、少しはセツの気持ちも考えてよ!」
「仕方ねーだろ!抱き合ってたのは事実みたいなんだし!」
「わわ…喧嘩しないでよ、ふたりともっ…」
オレを思って対立する仲良しコンビが、睨み合いを始めてしまい。オレは慌てて間に割って入る。
まあ喧嘩ってほどじゃないから、すぐに治めてくれたけど…。
「まあ…その、なんだ…」
「きっと何かの間違いだよ…ね、セツ?」
「え…?あ、うん…。」
なんでルーファスがメイドさんと抱き合ってたら、オレに関係があるんだろって思ったけど…。
正直ショックなのは事実なわけで。
何故ショックなのかは、判らない…んだけども。
真面目なルーファスから上がった、初めての浮いた話…なだけあって。目撃者とか、噂の信憑性が高いもんだから否めない。
だってジーナが言うように。
アイツが理由もなしに女の子に触れるとか…まず無いだろ?
騎士だし紳士だし、アイツは絵に描いたような真面目クンなんだからさ。遊びだ冗談だってのは、絶対あり得ないもんね。
まあ、オレにはしょっちゅう不意討ちで触ってくるけど…。それはオレが男だから、女性ほどの抵抗がないんだと思うし。
じゃあ、なんで抱き合うなんてことに…って考えたら。頭の中が余計に拗 れてきちゃって。
そうすればもう、オレの気分は…沈む一方でしかなかった。
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