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純愛Ⅳ《緋禄side》5
「緋禄…どうしてここに?」
ホテルに来たという連絡をすると、咲輝が驚いた顔でフロントのロビーにいる俺の所へ来た。
眼鏡をかけて、まだ19時なのにもう寝る格好で。
咲輝は今日帰国したばかりで、疲れている様子だった。
「これから予定とかあんの?」
「いや、もう寝るだけだ」
久しぶりに見る咲輝は、やっぱり温かい。
自分が病気だってこと忘れるくらい大きな存在。
「部屋行っていい?」
「ああ」
そう言って咲輝は部屋を案内してくれた。
広くてシンプルな部屋。
「明日も朝とか早いの?」
「明日は午後からだから大丈夫だ」
そう言って咲輝は紅茶を入れてくれた。
同じ空間にいるだけでこんなにも幸せだと感じる。
急にホテルに乗り込んで、迷惑だと思わないのか?
咲輝はやっぱり優しい。
旅行先での出来事とか、咲輝がいなかった間何があったのか雑談をして、気付くと0時を回っていた。
俺は慌てて咲輝にプレゼントを渡した。
「誕生日おめでとう」
咲輝は驚いた顔をしていた。
「誕生日…か…」
「まさか忘れてたのかよ?」
「忘れてた」
咲輝は苦笑いしていた。
ちょっと、可愛く思えた。
普通の恋人なら、何年も何年も繰り返す行事。
でも、
俺にはもうやってこない。
咲輝に「誕生日おめでとう」って言えるのは、今日が最後なんだ。
「指輪なんて買ってみたんだけど、サイズ分かんなくて…ネックレスとして身につけて欲しい」
「ありがとう緋禄」
笑顔が嬉しかった。
その笑顔は、ゲームをしているから?
偽りなのか、本当なのか。
そんなことはどうでも良かった。
今は俺の咲輝で、
咲輝の俺なんだから、
偽りだって、構わない。
ゲームなんだから。
咲輝の首に腕を回してキスをした。
咲輝は俺の髪を撫でながら受け入れてくれた。
舌を絡ませて、そこから伝わる体温が心地いい。
そのままベッドに移動して、咲輝が俺を押し倒した。
「緋禄…少し痩せたか?」
ドキッとするような台詞。
俺は少し慌てたけど、冷静に返してみた。
「咲輝に逢えないから痩せたのかもな。だから責任とれ」
咲輝は少し笑って、俺の首筋に吸い付いた。
しばらく吸い付いたあと、唇が首筋から俺の耳に移動した。
「俺も逢いたかったよ、緋禄」
そう耳元で囁いて、耳を舐め始めた。
咲輝の言葉と、耳を舐められてる快感でおかしくなりそうだ。
耳から唇に移動して深いキスをしたり、首筋にまた吸い付いたり、咲輝の舌の動きに背中がゾクゾクする。
そして、服を脱がされて唇が俺の乳首へと移動してきた。
「あっ、ん…咲輝…今日はキスだけにしよ?」
シャワーを浴びていないから、この先に進むのを止めたいのに。
咲輝は聞こえているのに無視をする。
久しぶりに攻められて、体が火照る。
咲輝は乳首を舐めながら、俺のズボンを下げて硬くなったモノを取り出した。
片手でモノを扱きながら、乳首を愛撫して。
「あっ、アァ!ん…あっ」
そして、手の動きを止めて口に俺のモノを含んだ。
「待っ、シャワーあび…んっ」
咲輝は俺の言葉を無視して行為を続けた。
モノをゆっくり扱きながら、舌を動かして。
「アァ、は…ん、あっ」
気持ち良すぎて、ベッドのシーツを掴まずにはいられなかった。
きっと、咲輝が俺の為にしてくれてるってことが余計に快感に変わるんだ。
「さ、あっ…咲、輝っ!イ、クッ!あっ、ん」
俺の言葉で咲輝の口の動きが早くなる。
「は、あ、…アァ!」
俺のシーツを掴む手も強くなる。
「あっ、アァッ!ん、イ…ク!イクッ!」
そして俺は咲輝の口の中で果てた。
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