39 / 56

純愛Ⅳ《緋禄side》5

「緋禄…どうしてここに?」 ホテルに来たという連絡をすると、咲輝が驚いた顔でフロントのロビーにいる俺の所へ来た。 眼鏡をかけて、まだ19時なのにもう寝る格好で。 咲輝は今日帰国したばかりで、疲れている様子だった。 「これから予定とかあんの?」 「いや、もう寝るだけだ」 久しぶりに見る咲輝は、やっぱり温かい。 自分が病気だってこと忘れるくらい大きな存在。 「部屋行っていい?」 「ああ」 そう言って咲輝は部屋を案内してくれた。 広くてシンプルな部屋。 「明日も朝とか早いの?」 「明日は午後からだから大丈夫だ」 そう言って咲輝は紅茶を入れてくれた。 同じ空間にいるだけでこんなにも幸せだと感じる。 急にホテルに乗り込んで、迷惑だと思わないのか? 咲輝はやっぱり優しい。 旅行先での出来事とか、咲輝がいなかった間何があったのか雑談をして、気付くと0時を回っていた。 俺は慌てて咲輝にプレゼントを渡した。 「誕生日おめでとう」 咲輝は驚いた顔をしていた。 「誕生日…か…」 「まさか忘れてたのかよ?」 「忘れてた」 咲輝は苦笑いしていた。 ちょっと、可愛く思えた。 普通の恋人なら、何年も何年も繰り返す行事。 でも、 俺にはもうやってこない。 咲輝に「誕生日おめでとう」って言えるのは、今日が最後なんだ。 「指輪なんて買ってみたんだけど、サイズ分かんなくて…ネックレスとして身につけて欲しい」 「ありがとう緋禄」 笑顔が嬉しかった。 その笑顔は、ゲームをしているから? 偽りなのか、本当なのか。 そんなことはどうでも良かった。 今は俺の咲輝で、 咲輝の俺なんだから、 偽りだって、構わない。 ゲームなんだから。 咲輝の首に腕を回してキスをした。 咲輝は俺の髪を撫でながら受け入れてくれた。 舌を絡ませて、そこから伝わる体温が心地いい。 そのままベッドに移動して、咲輝が俺を押し倒した。 「緋禄…少し痩せたか?」 ドキッとするような台詞。 俺は少し慌てたけど、冷静に返してみた。 「咲輝に逢えないから痩せたのかもな。だから責任とれ」 咲輝は少し笑って、俺の首筋に吸い付いた。 しばらく吸い付いたあと、唇が首筋から俺の耳に移動した。 「俺も逢いたかったよ、緋禄」 そう耳元で囁いて、耳を舐め始めた。 咲輝の言葉と、耳を舐められてる快感でおかしくなりそうだ。 耳から唇に移動して深いキスをしたり、首筋にまた吸い付いたり、咲輝の舌の動きに背中がゾクゾクする。 そして、服を脱がされて唇が俺の乳首へと移動してきた。 「あっ、ん…咲輝…今日はキスだけにしよ?」 シャワーを浴びていないから、この先に進むのを止めたいのに。 咲輝は聞こえているのに無視をする。 久しぶりに攻められて、体が火照る。 咲輝は乳首を舐めながら、俺のズボンを下げて硬くなったモノを取り出した。 片手でモノを扱きながら、乳首を愛撫して。 「あっ、アァ!ん…あっ」 そして、手の動きを止めて口に俺のモノを含んだ。 「待っ、シャワーあび…んっ」 咲輝は俺の言葉を無視して行為を続けた。 モノをゆっくり扱きながら、舌を動かして。 「アァ、は…ん、あっ」 気持ち良すぎて、ベッドのシーツを掴まずにはいられなかった。 きっと、咲輝が俺の為にしてくれてるってことが余計に快感に変わるんだ。 「さ、あっ…咲、輝っ!イ、クッ!あっ、ん」 俺の言葉で咲輝の口の動きが早くなる。 「は、あ、…アァ!」 俺のシーツを掴む手も強くなる。 「あっ、アァッ!ん、イ…ク!イクッ!」 そして俺は咲輝の口の中で果てた。

ともだちにシェアしよう!