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第17話
「ん……」
まだ飲み込めず、口いっぱいのケーキ。
喉の奥から漏れてくる小さな呻き。
遥人が唇を合わせてくると、自然に口が開く。舌が入り込んで、ケーキを掠め取っていく。ふたりで口の中のケーキを食べ切った。
「はぁ……はぁ……」
口が離れると荒く呼吸をした。
口の周りも胸許もべちゃべちゃにして、とろんとした表情をしている。
「ごちそうさま」
遥人はあくまで余裕で、ぺろっと自分の唇を舐める。残ったケーキを皿の上に戻した。
「詩雨さん。なんかすごく可愛い顔してる」
欲を帯びた声音。
身を寄せ、耳許で囁く。そのまま耳の内まで舐めまわし、首筋にちゅっちゅっとキスを落とす。
自分で結んだくせに、邪魔だとばかりに青いリボンを噛んで解き、床に落とした。
手はセーターの上から胸の頂を掠め、腹を降りてオフホワイトのチノパンの内へと入り込む。もう既に勃ちあがりかけているそれにいきなり直に触れ、握り込む。
「ん……ぁあ……」
脳内もとろんとしてきた詩雨の口からは、すぐに甘い声が漏れた。
ケーキのように甘い甘い声。
遥人は更に刺激を与える。全体を軽く扱ごき、先端を少し強めに握り、その小さな穴に軽く爪を立てる。
「ひぃ……ん……あぁ……ん」
びくびくっと詩雨の身体が揺れる。
遥人はゆっくりと詩雨の身体をラグの俯せに倒した。いったん昂りからは手を離し、詩雨のチノパンを下着ごと引き抜く。
普段とは違う行為の始まりに、いつもの威勢はなく、詩雨は遥人のなすがままだった。
★ ★
溶けてる頭で、遥人が離れていく気配を感じた。
俯せに寝かされ、下半身には何もつけていない状態のまま放置されたのは、ひどく淋しい。中途半端に昂ぶらされたそこはラグに擦れむず痒く、まだ弄ってもいない後口はひくひくと疼いている。
彼は隣のウォークイン・クローゼットに方の行ったようだ。すぐにカラカラという音と共に戻って来る。
足許に回った遥人に軽く尻を持ち上げられたか思うと、いきなり後口に指を突っ込まれた。
しかも、どうやら指には何かが塗られているようだ。引き抜いてはまた、突っ込まれる。口の周りにも内側にも何かを塗りたくっている。
いつも使っているゼリーやローションの類いとは違う感触。
そして、今度は温かい舌で、孔の周りを舐めている。
「ふは。あまっ。──何塗ったと思います?」
わざわざそんなこと聞くなんて、禄なものじゃないだろう。霞んだ頭で考える。
「まさか……ケーキの……」
「当たりです。クリームを塗ってみました」
悪戯っ子のような声で言うが、やってることはそんな可愛いものではない。
「おま……っ」
羞恥で身体中真っ赤になる。
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