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萩ノ宮 26

「だめだ!!おまえは人の話を聞いていたのか?単独行動は禁止だと言ったはずだ!!」 クラッシックのコンサートへ行きたいから、今日の真嶋の送迎を断りたい、と告げると、なんの逆鱗に触れたのか、表情が変わる。烈火の如く頭に血を上らせ、真っ赤な顔で即座に却下された。 また、理由は教えてもらえそうにない雰囲気だった。この人から見たら、忌み子である自分に、制限をかけてまで管理をする、その姿に首を傾げざるを得ないのだ。 その姿を見て、ため息をつく。 が、祖父は、妙なことを口走った。 自分はこの名前を出してはいない。 「アルノルド・シュレイカーには、近づくな!!」 ――何を言ってるんだ?このじじいは…? 「仰ってる意味がわかりません。アルノルド・シュレイカーとは誰です?私はただ、コンサートを観たいと言っただけです。 その方が、オーケストラと関係ある人だとしても、観客の1人と舞台の上の人間が早々会えるなんてことはありませんよ?私はただ、オーケストラコンサートを観たいだけです。 それに、私は『その人との面識』はありませんので、会うことは不可能だと思いますが?」 「……とにかく、奴が関わるイベントへの参加は許さん。」 意味がわからない。 アルノルド・シュレイカーの出国が確認されるまで、軟禁の日々は続いていった。

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