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Inverse view 8
静かな部屋の中には、甘く媚びたような声と、二人の荒い息遣いと、ぬちっ、ぬちっ、と、結合部や、性器を弄る時に生じる卑猥な水音だけが、耳に届く。
「……全部……挿入 ったよ……ココに、僕を感じる?」
すべてが収まった時には、さすがのアルノルドの息も上がり、優しい低音に、さらに艶が混じる。その声にすら、ゾクリと背筋を走るものがある。
下腹に指を這わせ、彼が収まっているであろう場所を、彼の綺麗な指がなぞる。
「……んっ……んぁ……」
内臓を押し上げるような圧迫感が、十分な意識があればあっただろうが、充分に解されて理性を手放したクリスは痛みを感じることなく、ゆっくりと彼を受け入れた。
切っ先が、良いところを擦りあげた時には、見知らぬ感覚にゾクリとして短く声を上げた。
彼の形がわかるほど、びっちりと吸い付いている内壁は、その先の刺激を求めて煽動する。馴染むまで待ってくれているのだろうが、躰の奥が疼いて、どうにかなりそうだった。
熱く火照った肌に、ポタポタとアルノルドの汗が冷たい水滴となって落ちてくることが、かろうじて、落ちそうになる意識を戻してくれる。
互いに、水でも浴びたかのように、びしょ濡れになっていた。
「……ふっ……誘ってるのかい?そんなに絞めつけて……そんなオネダリされたら、僕の僅かな理性も吹き飛んでしまいそうだよ?
……さすがにここに媚薬があるんだ。少なくとも僕だって媚薬の影響は受けてしまうからね」
少し腰を引きカプセルを潰した場所を突く。敏感になったそこに少しの刺激でも弾けてしまいそうになる。
「……あぁ……あ……」
その声音さえ、愛撫になり、腰が揺れる。媚薬で朦朧とした意識は、強い刺激を求めて無意識に中壁がうねるように絡みつき、アルノルドのそれを愛撫するように奥へ奥へ誘い込む。
「…も……いい……から……おね……がい……」
膝が胸につきそうなほど、折り曲げられ、勢い良く、穿たれる。
「ひっ、あぁぁぁ!!はぁぁぁん!!」
「……やばっ……っ、はっ……良すぎて……セーブが、効かない、よ……あぁ、クリス……クリス……やっと……手に入れた………」
突然の激しいピストンに、悲鳴のような喘ぎしか出ない。部屋にはアルノルドの荒い息遣いと接合部の濡れた水音と、肌がぶつかる音が大きく響く。アルノルドの腰の勢いは抑えが効かない、と言葉通り激しく突き上げる。
眸はもう、何も映すことなく、快楽で溢れる涙で霞み、唇の端からは、飲み込むことが出来なかった唾液を垂れ流し、快楽に溺れきった表情で、すでに何もわからない、悦楽だけを求める獣のように躰は快楽だけを追う。
「……も…っと……あぁ……いい……んぅ…」
突き上げるリズムに合わせるように、声が押し出される。ぎゅうぎゅうとアルノルドからそれを絞りとろうか、というような動きで、奥へ誘い、吐精を促されるように、動かなくてもイカされてしまいそうな感覚に、逆に動かなければ、ペースを乱されてしまう気がした。
クリスにしても、痒いところに手が届くような気持ち良さと、未知の快感に、首を振るけれど、柔らかい毛先が、シーツを叩く軽い音しかしない。
「……すごい……キミの中は、想像以上だ……」
アルノルドは気持ちよさそうで、嬉しそうにそう呟き、一瞬、クリスの耳元で息を詰め、中に一度、吐精する。
「……んとに……最高すぎる……もっと……たくさん、キミを味あわせてくれ……」
まだ、足りない、とアルノルドは硬度を保ったまま、またクリスを穿ち始めた。
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