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2人の囁き(こちらはオマケ話です)

「ところで、昂輝さん」 真嶋に耳元で名前を呼ばれ、その囁きに耳を傾ける。 「アプローチは、アルノルドさんからですか?」 こっそり聞いてくるあたりセックスに対するものだろうと判断した昂輝はその時の状況を思い出しながら 「……アプローチなんて可愛いもんじゃない。最初は、拳銃突きつけられて、ヤるか死ぬかの二択を迫られて、挙句、レイプだよ。媚薬を使われたんだ。中毒性はないって言ってたけど……即効性のものを3つも使われて、苦しいなんてもんじゃなかった……」 真嶋は目を丸くして、昂輝を見た。けれど、顔は真っ赤になって俯いている。相当良かったのだろう。でも、この強気な面を持つ彼がそれだけで堕ちたとは思えなかった。けれど…… ――本当に、からかいがいのある子だなぁ…… 真嶋は、内心、ほくそ笑む。 「双方、美形ですからね。やっぱり、昂輝さんがネコの方が見た目的にも、美しいと思いますよ。出来ることなら拝見したいくらいです。」 真っ赤になりながらも、悔しそうな表情を浮かべるのを見ていると、かなり乱れたのだろう。笑いを堪えるのに、苦しくなってくる。 ――反応が可愛すぎる!! きっと、そんな彼だから、アルノルドも、虐めたくなってしまうのだろう。 昂一もタチではあるけれど、色んなことが重なり、おとなしい性格になってしまったが故に、セックスのリードは真嶋がタズナを握る方が多い。自分が最初に押し倒したのだから仕方ないことではあるが…… たまたま真嶋がネコだったから、昴一はタチになっただけで、真嶋がタチだったなら、間違いなく抱かれる側だっただろう。 真嶋が口説き落としたのもあり、欲望の灯火をつけるのは、自分の方からが多かったけれど、手取り足取り教えたセックスに、昂一がハマるまでそれほどの時間を要さなかった。 男女問わず、経験の少ない昂一を、自分好みに染め上げるのは、想像以上に楽しかった。教えれば教えるほど吸収していく。快楽ほど覚えやすいものはないだろう。 子供がいると言っても、アメリカにいる女性と数回のセックスでできてしまった子供だ。 自身の過去から、少し歪んだ性癖を抱えてしまった真嶋が、昂一に教えこんだのは、言葉攻めと、少しだけ暴力的なセックスだった。 セックスの時限定の、ドS彼氏に育て上げた。 真嶋の身体の見えない部分は、キスマークもあれば、縛り傷や、噛み傷で、傷だらけだった。 互いに所有の証を身体に刻むことは、束縛の証として、キスマークは、見えないところに付けあっていた。愛し合っているが本当に歪んでいることは否定できない。 昂一も、喜んでつけさせるほどだった。お互いが激しく求め合い、傷をつけることすら快楽へと繋がっている。 そんなことを思い出し、クスッと笑ってしまった。

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