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 社長がスタッフと話をしている中、ぞくぞくと集まって来る男優達。  このホールの一角には数個のテーブルと人数分の椅子が用意してある。 テーブルの上にはお菓子やジュース等があって一応休憩スペースとして利用出来るようになっているようだ。  ぞくぞくと集まって来る男優達は、まだキャスト達が集まって来てないからなのか知り合いを見つけると談笑している姿が窺える。  寧ろ、ここに集まって来ている男優達というのは玲音と諒馬と京平以外で簡単に言えば、事務所に所属しているキャストほぼ全員と言えるだろう。  ゲイビビデオというのはカップル同士といのも売れるのだが、複数人となって来るともっと売れる。  現に京平と玲音と諒馬の三人が出ている3P物はカップル同士よりも売れているのだから。 なら他の男優達にも、そんな機会を与えようと社長は今回この企画したのであろう。  きっと普通の人間では普段の生活の中で出来ない事をしているのだから、それを見たくなるのは人間の性という事だ。 だから人というのは、ゲイビビデオにそういった事を求めているという事なのかもしれない。  待ち合わせ時刻より少し遅れた頃だろうか、社長が今回集めたキャスト達が全員来たようで、丁度、社長の方もスタッフとの打ち合わせも終わった所で、今度社長はキャストの方へと足を向ける。  ここのビデオの撮り方というのは、脚本みたいなのは一切無い。  今日のテーマがあって、それを説明し、その中でキャスト達が作って行くという感じだからだ。  今回集まった人数というのは、総勢十六名。  その中には知り合いも居れば、今日初めましての人も居るだろう。 だからなのか自己紹介を始める。 「僕は、素直受な結衣人と言います。 今日は初めてなので宜しくお願いします!」  そう元気良く言うのは、わりと若めの子だ。 初めて、と言っていたのだから、今日本当に撮影は初めてなのであろう。 そしてこのキャストの中でも最年少のようだ。 「僕は、ツンデレ受の未月と言います。 よ、宜しくお願いします」  少し腰が低めで挨拶したのは、このキャストの中で一番背の低い気持ち的に緊張している未月という子だ。 「俺は、いつも俺様攻で活躍している、創也だ。 宜しくな」  その口調からして、男らしいのだが、更に少しがたいの良い人物は創也。 そして京平よりかはこの事務所に入るのは遅かったものの、もしかしたら京平の次にこの事務所に入って来たのは、この創也でもある。 「私は見た目の通り、お姉なキャラなんですけどー。 奏空(そあ)といいます。 うふふ、これでもSでこちらでは通させて頂いております。 宜しくお願いしますね」  と見た目の通り、髪の毛はロングパーマで赤髪。 ロングスカートにブーツを履き、もういかにもSっていうのを醸し出しているのは奏空だ。  今回はそんな多様なメンバーで撮影が行われる。

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