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「とりあえず、今日のテーマは『王様ゲーム』。 普通の王様ゲームは、くじ引きで王様を決めて、その王様がくじ引きに書かれている数字を二人上げて、命令して何かをやって貰うっていうゲームなんだけど。 逆に知らない人いるかな?」  と相変わらず、優しい感じで言う社長。  その社長の質問に手を挙げる者はいないようで、そこから社長は話を進めるようだ。 「王様ゲームはみんなが知ってるのだから、そんなに説明という説明はいらなそうなんだけど、普通の王様ゲームと違うのは、ゲイビ男優なのだから、王様になった人は、それなりに大人向けな命令をして欲しいって訳だ」  そこに納得するキャスト達。 一瞬騒ついたのもあるのだけど、それは一瞬で終わり、社長の方は話を続ける。 「ま、大人向けと言ったら、ま、そういう事だよねぇ。 それに、撮影をして売るのだからさ。 でも、どうする? 一組カップル毎に王様の命令に従うのか? それとも、王様が一回一回命令をしてカップルまでも変えるのか? それと、ネコとタチの人は番号は別でね。 そうじゃないと、ネコとネコとかになっちゃう場合もあるからさぁ」  そこまで言うと、 「でも、社長! ネコとネコ同士でもいいんじゃないんでしょうか? まぁ、タチとタチ同士だと……流石に喧嘩までとはいきませんが、そうなりそうですけどね」 「んー、そこはまぁ、やってみないと分からない所だからね」 「3Pでもいいんですかね?」 「それも、王様次第っていう所かな? 大体の設定を作っておいて作品を作るのは君達だからね」  そう社長はウインクしてまで言うのだ。 そうこの作品はキャスト達が考えて作っていくというのがモットーみたいなものなのだから。 「とりあえず、この作品はそんな感じで大丈夫でしょうか?」  それだけで、そこに来ていたキャスト達は納得したのであろう。 各々に返事をすると、社長は頭まで下げて、 「それでは、お願いしますねぇ。 セットの方は畳がある宴会場って事にしております。 それでは、各々で今日は撮影を頑張って下さい」  社長がそう言うとそこに居たキャスト達は立ち上がる。  さっき社長も言っていた通りに今日は大人数でもあるのだから、このスタジオでも一番広いホールでの撮影だ。  そこにはテーブルがあって座布団もある。 ちょっとしたカラオケのセットがあったりして、本当に旅館に泊まりに来てこれから宴会でも始めようか? というセットだ。  それぞれのキャストはその気分を高める為なのか、浴衣も用意されていて今は着替えに行っている。

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