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みんながみんな浴衣へと着替えを済ませてくると、各々適当に席へと座る。
宴会場という設定だけあってテーブルの上には、ちょっとした海鮮料理までも並んでいた。
設定上、宴会場なのだから、お酒といきたい所なのだが、ゲイビ男優って言っても一応はお仕事中なのだから、見た目はビール色に見えても中身は麦茶だったりするのだから。
宴会場と設定しているのだから、例えグラスに入っているのは麦茶だとしてもビールに見えるだろう。 きっと雰囲気がそうしてくれているのだから。
勿論、ジュースだって置いてある。 お酒を飲める人もいるだろうが、お酒を飲めない人だっているのだから、ジュース等が置いてあっても不思議ではないからであろう。
今日は大人数だけあってか、照明も沢山あって、カメラマンもそれなりにいるようだ。
そして宴会場らしく、今日いるキャストで宴会場は盛り上げをみせる。
一人はカラオケをし、何人かは座りながら手を叩き歌を盛り上げる。
そこは一応男優だけあるのかもしれない。
男優というのは俳優並に演技力だって必要なのだから。
カラオケのマイクを持っていた一人が、歌を辞めた直後だっただろうか、
「さて! 今日のメインイベントっていうのは? 『王様ゲーム』」
いきなり司会の真似をし始め、そう仕切り始めたのは、この業界では、イケメンスパダリ攻と言われている、翼 だ。
「今日の社員旅行っていうのは、俺達が働いているゲイビ会社の旅行です。 ですので、ゲイビ男優らしく、宴会場の中にこのイベントを入れさせて頂きました! 但し、ただの『王様ゲーム』ではありません! 大人の王様ゲームなんです!」
そうマイクを通し言うと、
「大人な王様ゲームって?」
そう可愛く聞くのは、小悪魔受で今ブレイク中の来夢。
「来夢君から質問が来ましたのでお答えしますが……大人な王様ゲームというのは? ヤっちゃおう! っていうだけなのです」
その翼の言葉に周りがざわつき始める。
「え? え? それで、番号を引いて、もしネコちゃん同士で、ヤることになっちゃったらどうするんですか?」
「それは、それでいいのか? それとも、ネコとタチとで番号をきっちり分けて、ヤるか? というのを多数決で決めてもいいですか?」
確かにそこはまだ決めてなかった所なのだから、翼の言う通り多数決で決めた方がいいと思ったのであろう。
そうだ、今日のこの宴会場にはかなりの人数がいるのだから、多数決で決めて行った方がいいのかもしれない。
そこで翼は、
「まずは、ネコとタチと別れて番号を引く。 がいい人!」
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