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 と、本当に奏空は王様という役を楽しんでいるようにも思える。  確かに奏空は身長があって、お姉口調で見た目もお姉なのだが、逆に今回タチやネコに選ばれた都春と結衣人に関しては、見た目も可愛ければ声も可愛い。 そう要はタチもネコも可愛いという事だ。  そして二人は奏空の言う事を守らなければならないのだから、こう恥ずかし目に、 「結衣人さん……先ずは僕が結衣人さんの服脱がして行くからね……」  そう言うと、今日初めてだという結衣人は、緊張気味に、 「う、うん……」  そう返すのだ。  本当に二人の鼓動が緊張で今にも聞こえそうな位だ。  そんな中、都春が結衣人が着ている浴衣をこう上半身の部分をはだけさせゆっくりと帯を外す姿というのは、演出なのであろうか。  見た目は可愛いものの都春はタチで売っているのだから、そういう所は演出出来るのかもしれない。  しかし、こんな見た目も可愛いが身長もかなり小さい二人。 この二人で売り出せば、まだショタ物で売っていけるだろうという位だ。 「はい……結衣人さんの浴衣脱がしたからね……」  今はまだ上半身部分をはだけさせたのと帯を外しただけなのだから、中途半端に浴衣は結衣人の腰の部分で止まっている。 そしてさっき陽生達のを見ていて結衣人の方は何気に中途半端な状態だったのか、既に胸の突起がピンと勃っていたのだ。 「わぁ……結衣人さんって、見た目も可愛いけど、ココも可愛いよねぇ?」  そう言って指先でツンと弾く都春。  都春の方もいよいよスイッチが入って来たのかもしれない。 だが今回のは自分で先に進んでは行けないというルールがある。 果たして都春の方はこのまま大人しくしていられるんであろうか。 「都春さん……私の指示なく先に手を出してはダメですからねぇ」  そう先に注意を受けてしまう都春。  都春はきっと指示を受けてから動くというルールを忘れていたのであろう。 その奏空からの注意に体をビクリとさせてしまっていたのだから。 「あ、すいません……」  舌まで出して謝る姿は、可愛い攻で売っているだけあってか、攻めとは思えない仕草でもある。 勿論、都春の場合はそれも狙っているのであろう。 「じゃあ、次は結衣人さんが都春さんの服を脱がして上げてねぇ」  確かに奏空の場合、こうお姉口調なのだから柔らかい感じで聞こえて来るのだが、ちゃんと命令は命令になっている。 「もし、出来そうもなければ、その時には私も手伝いますから、大丈夫ですよ」  結衣人は今日初めてこの仕事をするっていう事を知っているからなのか、奏空は優しくそして笑顔でそう言うのだ。

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