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28 ※玩具

 だからなのか今度は胸の突起を弾くような仕草だけではなく、親指と人差し指を使い摘み指先に力を入れてみる都春。 「ふぁああ!」  という声と同時に体をビクビクと反応させ背中まで反らせる結衣人。 そして思わず出てしまった声を手で押さえてしまうのだ。 「ふふ……いい声出るじゃない?」  都春の方は本当に楽しそうだ。 しかも結衣人が初めてだっていうのだからもっと今日は楽しいのかもしれない。 人間ってそういうもんだろう。 初めて着る服だって嬉しくて楽しくてっていう感情があるのだから。 「でもさ、初めてっていうわりには、ちゃんとココ勃ってるんだから、期待してるっていう事だよね? 普通さ、期待なんかしてなかったらココ勃たないもんなんじゃない?」 「え? じゃ、僕って……変なのかな?」  初めてという素朴な疑問と不安そうな表情に目を奪われてしまっているのは都春だ。 「ホント、君は可愛い子だねぇ。 しかも、素直だし……。 今度から撮影に参加する事があったら、素直なネコとして売り出したらいいんじゃないのかな? きっとウケると思うよ……」  そこで一旦言葉を止めると、 「とりあえず、今はこっちに集中してね。 それなら、本当に今日は君の事気持ち良くさせて上げるし、君の事、奏空さんと一緒に気持ち良くさせて上げるからさ」  優しい声で言う都春。 そして都春は奏空の方へと視線を向けると、 「奏空さん……結衣人さんの胸の突起、もうちょっと刺激して上げたらいいんじゃないんでしょうか? 初めてでこんなに鳴いてくれているんですよ。 もっと刺激を与える事が出来たら、もっと素敵な声で鳴いてくれると思うんですけど?」 「ふふふ……都春さん……いいんじゃないんでしょうか? 指先だけではなく舌も加えてって事でいいかしらね? それともいきなりローターとかって使ってみます?」  そう言ってローターをチラつかせる奏空。 「いいですね! ローターを使っちゃいましょう!」  都春は奏空からローターを受け取ると、結衣人の事を仰向けの状態で寝かせ、 「結衣人さん、コレ知ってます? 流石にこれは使った事もないですかね?」  その都春からの質問に結衣人は首を横へと振るのだ。  未だに手を口に置いてしまっている結衣人。 そして瞳を既に潤ませ都春の事を見上げている。 本当にそんな姿というのはタチからしてみたら、わりと生唾ものなのかもしれない。  一瞬だけ都春は生唾を飲み込むと、今にも暴走しそうな自分を落ち着かせる為に胸に手を置き深呼吸をするのだ。  都春の方も身長が低くて勿論体の方も軽いからなのか、結衣人のお腹の上辺りに跨ってローターのスイッチを入れたようだ。  スタジオ内に響き渡るローターの振動音。 その音を知っている物なら体中が疼いて来てしまう音なのかもしれない。

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