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「……ん、っんぁあっ!!」  体全体に電流が走ったような刺激を感じて、依弦は嬌声を上げて飛び起きた。まだはっきりとしない頭と視界で辺りを見渡し、顔を引き攣らせた。 ――なんだ、これ。  窓のない、コンクリート打ちっぱなしの空間に作られた檻の中に、依弦はいた。衣服を全て脱がされた状態で産婦人科にある分娩台に似た椅子に座らされており、両腕は左右の肘掛けに、両足はM字に開いた体勢で足掛けに、それぞれロープで縛られていた。そして何より、先ほどの刺激の正体が依弦の両乳首に付けられたローターと後孔に埋められたディルドで、今は何も聞こえないが両耳にはワイヤレスのヘッドフォンがはめられ余計に不安にさせる。 「っひ、あぁ……っ」  玩具が動く度に、自分でも聞いたことのない声が漏れる。まるでアダルトビデオの中の女優のように、モジモジと腰をくねらせ、はしたない甘い声を上げた。 「みさっ、三崎ぃ……っ!」  思わず助けを求めたのは裕輔だった。誰か、ではなく、裕輔。こういうことをしてきた本人だと分かっているはずだが、それならなおさら、止めて欲しいと願った。 「三崎っ、どこにい……っあぁう!」  ランダムに刺激してくる玩具に、何度も達してしまいそうになる。しかしそれが出来ないのが、余計に依弦を苦しめた。依弦の雄蕊には、達することが出来ないように根本をリングで押さえられていた。少しでも昂ると、締め付けられ、その痛みで熱が引いていく。その繰り返しだった。 「っあ、あぁっ、やぁあん!」  口が塞がっていないのがまだ救いだ、と思っていたのは最初だけで、引き起こされる快楽の波と不安が混ざって気持ち悪い。不規則な電子音と振動が、依弦の思考を止める。それでも、どこか玩具のリモコンの電波が届く場所にいるはずだと信じていた。信じたかった。 「んんっ、ふ、あ……っ」  ガタガタと座面を揺らしながら、依弦は腰を震わせた。雄の先端から薄く濁った雫が垂れるのに、解放されない。気を失って逃げることさえ、許されない。 「たすっ、たすけ、て……っ、」 ――三崎、助けて……っ!―― 『馬鹿だな、依弦』 「っ!?」  玩具の振動が止まり、ヘッドフォンから裕輔の声が流れてきた。 「三崎!? 近くにいるの?」 『どこだっていいだろ? まぁ、依弦の声が聞こえる場所にはいるけど』 「三崎、これ、どういうこと? これなに? 俺、わかんな――っあぁっ!」  再び玩具の振動が依弦を襲う。 『依弦は、僕のものだから』 「え……?」 『可愛い依弦の姿は、僕だけに見せればいい。だから、そうしてる』  天を仰ぐ雄に嵌められたリングが外された。ヘッドフォンを無理やり取られ、後ろから抱きしめられて耳に吐息が掛かる。 「可愛い……僕の依弦」 「っ!!」  ガタン、と大きな音を立てて、依弦は自身から欲を飛ばし、意識を失った。

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