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1章 5ー1

5  セミダブルのベッドの上で、祥哉は正哉と幾度も口付けを交わす。同じ手の形、同じ足の大きさ、同じ肩幅──全裸の2人の身体はやはりよく似ている。僅かな違いがあるとすれば、祥哉の方が少しばかり身体に厚みがある。  シャワーを浴びてきたばかりの2人のまだ湿った黒髪。祥哉は肌に張り付く自分の髪を鬱陶しげに掻き上げ、正哉の首筋に唇を落とした。  祥哉が正哉の首筋を少し吸うと、彼の頭に手をやる正哉。  「そういうのはだめ、祥哉さん」  「そう?」  顔を上げる祥哉。キスマークを嫌がるなんて不倫中のセックスみたいだ。  祥哉に愛撫を受ける正哉の身体の下にはシーツを汚さないためのバスタオルが敷かれている。  2人でシャワーを浴びてからベッドに入るまで、正哉は本当に手際が良かった。一体今までに何人の男をこの家に連れ込んだんだ、と祥哉が思うほどだった。  正哉はよく知りもしない相手とセックスすることなど何とも思っていない、そう思うほど祥哉の中の欲望は昂った。彼を自分だけのものにしたい。  祥哉の唇は正哉の首筋から鎖骨へ、そして胸へと下がっていく。舌先を少し出して男にしては若干大きい乳首を舐めると、正哉の身体は僅かに震えた。  「あっ……」  「感じるの? 乳首」  「ん、感じる」  彼の乳首は祥哉のものよりも少し大きくて色が鮮やかだ。これは生まれつきというわけではないだろう。  唇と舌先で彼の乳首を刺激する度に、彼の勃起した陰茎が反応して祥哉の腹に当たる。面白いなと思いながら執拗にそこを責めていると、祥哉の陰茎に正哉が手で触れてきた。  勃起したそこの先端を指で優しく撫でられ、顔を上げる祥哉。正哉はこちらを見ていた。  「フェラさせてよ」  「え、舐めたいの?」  「うん」  そう言って起き上がる正哉に、祥哉は唖然としていた。フェラチオをしたいと言う男なんて初めて見た──最も、男とのセックスも初めてなのだが。  ベッドに座らされた祥哉の股間に正哉が顔を近づけた。彼は上を向いた陰茎の根本に手を添える。  「ふふ、おちんちん大きいね」  彼が嬉しそうにそう言い、愛おしげにそれに頬擦りするので、祥哉は目を丸くした。  「あ、あなたのだって同じでしょ?」  「自分のが大きくたって私には何の意味もない」  そして正哉は祥哉の亀頭に舌を這わせ、そのまま陰茎全体を咥え込んだ。吸いながら頭を上下させ、器用に口でそれを扱く。  「……っあ」  あまりのフェラチオの気持ちよさに、祥哉の口から声が漏れた。気を抜いたらすぐにオーガズムに達してしまいそうだ。  そんな祥哉を上目遣いに一瞥した正哉は、1度陰茎を口から出す。先端から溢れ出す尿道球腺液を舌で舐め取りながら陰嚢を手で軽く揉んだ。  「こっちも随分張ってる。あんまり抜いてないのかな?」  「……そうだったかも」  恥ずかしそうに答えた祥哉に、正哉は悪戯っぽく笑った。  「それは楽しみ」  そう言って彼は裏筋を舐め上げ、亀頭を吸う。すると祥哉の唇の隙間からまた声が漏れた。  「っん、正哉さん……だめ、イッちゃうから」  肩に手を置かれた正哉は陰茎から口を離した。  「じゃあそろそろ挿れる?」  「いいの?」  「いいも何も、そのつもりでしょ?」  正哉はベッドサイドにある引き出しからローションを取り出す。  彼のその手からローションを取った祥哉。驚く彼の腰を抱き、ベッドに寝かせて再び自分が上に来る体勢になった。  祥哉は少しローションを手に垂らし、正哉の後孔に触れる。すると彼の腰が僅かに浮いた。  彼の後孔の周りを解すように指を這わせ、時頼指の先を少しだけ出し入れする。すると彼はもどかしそうに更に足を開いた。  「指、挿れて……もっと」  「痛かったら言って」  祥哉がその長い指を2本奥まで入れると、待っていたかのように正哉はそれを締め付けた。ローションを足し、中で指を動かすと正哉の腰が揺れる。  祥哉からは正哉の陰部が全て見える。彼はそれを狙ってこんな煽情的な体勢をしているのだろうか。  「あっ、祥哉さんの指、イイ……」  「もう1本挿れる?」  「挿れて、それでもっとお腹側に動かして?」  そう指示された通り、3本目の指を挿れて正哉の腹部側に指を動かす祥哉。何か指先が柔らかいものに触れた。  「んあっ!」  正哉が大きく喘ぎ、彼の陰茎も反応する。そこが彼の前立腺というところなのだろうか、と祥哉は思った。  指先でそこを擦りながら口で再び乳首を刺激してやると、正哉の陰茎は触れられてもいないのに尿道球腺液を垂らし始める。  「ん、ああっ、あっ……」  「気持ちいい? 正哉さん」  「イイっ……! 祥哉さんのおちんちん、早く挿れてっ」  女性にも言われたことがないような強請り方をされ、祥哉は興奮した。許されるならこのまま生で自分の陰茎を彼の孔に突き立てたいくらいだ。

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