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1章 10ー1
10
物が少なく生活感の乏しい部屋。天井の照明は消され、ベッドサイドにある小さなライトだけが点いている。ベッドが軋む音と2人の男の荒い息遣いが響く。
部屋の主、正哉は先程この家に連れ込んだリョウと共にベッドの中にいる。いつも通り2人でシャワーを浴び、そのまま全裸でベッドに入った。
リョウは正哉にのしかかり、貪るように口付けをする。彼には歯も磨かせたのだが、まだ煙草の匂いがするように正哉は感じた。
毎回歯磨きまでさせるなんて本当に風俗みたいだな、とリョウは苦笑しながら言っていた。煙草の匂いは好きではない。しかし感じる熱は心地良く、入れられた舌に自分の舌を絡ませれば匂いのことなんてどうでもよくなる。
唇を離し、リョウは正哉の耳を甘噛みする。
「マサさん、夕飯まだだろ? よかったのか?」
先程コンビニで買った夕飯を正哉は冷蔵庫に突っ込んでいた。今更そんなことを聞くのか、と苦笑する正哉。
「いいよ。先にリョウ君が欲しい」
そう言ってリョウの睾丸を撫で、陰茎に触れる。そのまま既に勃起した陰茎を刺激しようとしていた彼の手をリョウの手が掴んで止めた。
「やめろよ、マサさん。大人しくしててくれ」
正哉の両手首を掴み、舌を彼の首筋に這わせるリョウ。セックスで相手に攻められるのがあまり好きではないのだ。
正哉の首筋に何度もキスを落とし、耳に舌を入れる。執拗に首筋と耳を攻めていると彼の唇から甘い息が漏れた。そして大人しくなった正哉の首筋に少し歯を立てる。
「ん、だめ」
リョウに首筋を噛まれた正哉は抵抗しようとしたが、その瞬間今度は手で乳首を摘まれ、快感が身体を突き抜ける。
「あっ!」
正哉はその男にしては大きな乳首を弄られ、更に首筋を舌で攻められ続けた。乳首を刺激されながら首や肩を噛まれると、不思議と痛みを快感と錯覚する。
まだ触られていない正哉の陰茎は勃起し、先端がリョウの腹に当たる。リョウは口元を彼の乳首に移動させ、手で彼の陰茎を掴んだ。
「んあっ、リョウ君……」
乳首を吸われ、舌で刺激されながら陰茎を手で扱かれ、正哉の口からは嬌声が漏れる。更に乳首に歯を立てられるとそれすらも強い快感に感じた。
リョウは普段はよく喋る方なのにセックスが始まると言葉数が少なくなる。ただ相手を攻めることに集中してしまうらしい。
その分正哉も感じることに集中できる。雰囲気作りをするようなタイプではないが、リョウはセックスが上手い。
正哉の先端からは透明な液体を垂らし、乳首は両方ともぷっくりと立っている。更に快感を欲して腰は浮き、濡れた琥珀色の瞳がリョウを見つめる。
「あっ、う、イッちゃう……だめ」
「いいよ、1回イッとけよ」
リョウは正哉の大きな陰茎を扱く手を止めなかった。正哉の赤く染まった端正な顔をずっと見ている。少し強めに陰茎を擦るとついに先端から精液が溢れ出た。
「うあっ! ああっ……」
精液はリョウの腹にまで飛び散った。かなりの量を出したのに、彼に見つめられていると正哉の陰茎はすぐにまた大きくなり始める。
「なんか今日、凄いな。もしかして最近抜いてなかった?」
半笑いでリョウがそう言うと、正哉は目を背けて少し恥ずかしげに首肯する。先週の日曜日から、絵里奈と祥哉のことで頭がいっぱいでとてもそれどころじゃなかった。
「マジか。珍しい」
言いながらリョウはベッドサイドのローションを手に取った。しかし正哉が彼の手を掴む。
「待って、リョウ君」
「ん?」
「……フェラしたい。駄目?」
言いながら正哉の片手はリョウの太腿を撫でるが、リョウは首を横に振る。
「あんたにフェラなんかされたらすぐイッちまうよ」
「大丈夫、君はそんな早漏じゃないよ」
正哉がそう言うと、苦笑しながら彼に覆い被さっていた体を起こし、ローションをベッドサイドに戻したリョウ。以前彼にフェラチオされて直ぐに射精してしまったことがあるのでされるのは少し怖い。しかし今夜の彼はあまり言うことを聞いてくれそうにない。
「マサさんってホントにちんこ好きだよな」
「うん、大好き」
そう言いながら正哉はリョウの股間に顔を埋めた。彼は陰毛を全て脱毛しているのでフェラチオする時に毛が口に入る心配がない。
既に勃起した陰茎の裏筋を丁寧に舐め上げ、全体を口に含む。睾丸を軽く揉みながら陰茎を吸い、上下に扱いてやるとそれは更に大きさを増した。
リョウの陰茎は祥哉のものと比べれば小さいが、正哉を満足させるには十分だ。
性器の独特の匂いも味も、それが自分に快感を与えてくれるものだと思えば正哉は嫌ではない。寧ろそれをしゃぶっているだけで下腹部が疼き、自分の陰茎も更に大きくなっているのがわかる。
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