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1章 10ー2

 正哉はフェラチオをしながら上目遣いにリョウを見た。彼は顔を赤らめてこちらを見ていた。本当に直ぐに限界が来そうだ。  「……っ、マサさん、もう……」  リョウに肩を押され、正哉は口から陰茎を出した。そして再びベッドに寝そべる。  「ありがとう、好きにしていいよ」  「言われなくとも」  リョウは笑って正哉の脚を左右に大きく開かせた。そしてローションを再び手に取り、彼の股間に中身を垂らす。  後孔だけでなく性器周辺にもたくさんローションを塗りつけられ、冷たい、と正哉は呟いた。  正哉の少し縦に割れた後孔にリョウの骨ばった細長い指が侵入する。  「んぁ……」  薄く開いた正哉の唇にリョウの唇が重なる。深く口付けしながらリョウの指は後孔を解すように浅い場所を動いた。すると正哉の腰はもどかしげに揺れ、指を奥に挿れるよう促す。  リョウの口が正哉の唇を離れ、再び首筋に噛みついた。それと同時に彼の指は前立腺に触れる。  「ああっ!」  僅かな痛みと強い快感に身体をのけ反らせる正哉。指に前立腺を擦られ、陰茎から尿道球腺液を溢れさせた。しかし腰は引かず、更なる快感を求めているようだ。彼の開口部は2本の指を強く締め付け、もっと大きなものを待ち望んでいる。  「うあ、気持ちぃ……リョウ君っ……」  「……もう挿れるぞ?」  「挿れて、早く」  リョウはベッドサイドのコンドームの箱に手を伸ばした。  正哉自身は使わないのにいつもそこに置いてある箱。そこから1つコンドームを切り離し、リョウは固く勃起した自分の陰茎にそれを装着した。  正哉の後孔にもう1度ローションを垂らしてから、リョウは先端をそこに押し当てる。  漸く入ってきたそれを、正哉の後孔はすんなりと受け入れ、キュウと締め付けた。  「あんっ……!」  「う、相変わらず凄いな」  その締め付けにリョウは直ぐに射精してしまいそうになるのを堪えた。  正哉の手足が背中に回され、それに誘われるように腰を動かし始めるリョウ。的確に先端は彼の前立腺を突き、締め付けは更に強くなる。  「んあっ、ああんっ! ……もっと、もっと強く突いてっ」  「ぅんっ……」  求められるがままにリョウは激しく正哉を突き上げる。更に彼の乳首も強く摘んでやると、正哉の身体はピクピクと反応する。  「うあ、気持ち良い……あんっ! 凄い、リョウ君、ああっ!」  リョウを抱く力を強める正哉。少し痛いくらいに刺激される前立腺も乳首も、時頼噛まれる首筋も、ゾクゾクとした快感になっていく。ここ1週間渦巻いていた悩みも今だけは忘れられる。今のこの瞬間は最高に気持ちが良い。  「あんっ、あ……もっと、噛んでっ……」  正哉の首筋に顔を埋めていたリョウが顔を上げ、潤んだ黒い目で正哉の快感に堕ちた瞳を見た。  「やっぱ、今日のマサさんおかしい」  小さくそう呟いたリョウ。再び正哉の首筋に噛みつき、右手で彼の尻を軽く掌で叩いた。既に正哉の首や肩はリョウの赤い歯型がたくさん付いてしまっている。  正哉が大きく喘ぐと、開口部の締め付けもまた強くなる。ラストスパートをかけようと、リョウは少し腰の動きを速くした。  「マサさん、俺イキそう。イッていい?」  「あ、私もイク……うぁ、あぁんっ」  リョウが先に正哉の中で射精し、手で少し正哉の陰茎を擦ってやると、彼の先端からも精液が溢れ出た。それがポタポタとバスタオルに落ちる。  正哉の中から陰茎を抜くと、ベッドの上に腰を下ろすリョウ。精液の溜まったコンドームを外して口を縛ってゴミ箱に捨てた。ゴミ箱の横に置かれたウエットティッシュで手と陰茎を拭く。  「マサさん、今日どうしたの?」  リョウはそう言いながらスマートフォンを手に取り、通知を確認する。正哉はまだベッドに横になったまま動かない。  「何?」  「いつもあんたってこんなドMじゃないじゃん」  「そう?」  ゆっくりと体を起こす正哉に、リョウ。  「前からちょっとMっぽいとは思ってたけど、いつもは噛んでなんて言わないだろ。体に痕付くの嫌がるし」  「んー? まあ、そうかもね」  中身の無い返答をしながら正哉もウエットティッシュを取って股間を拭く。何かあったかなんて答える気は無さそうだ。その様子にリョウは溜め息を吐いた。  「あんたに何かあろうと俺の知ったことじゃないけどよ」  小さくそう言ってリョウはスマートフォンをローテーブルの上に置いた。そして床に脱ぎ捨てていた下着を身につける。

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