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2章 4-5

 徐々に呼吸が整い、身体の熱が引いてきたシュウは正哉を見上げた。  「でもマサさん、まだイッてないよね?」  「ああ、うん……いいんだ、やっぱりタチだとイけそうにない」  「そうなの?」  起き上がったシュウが正哉のそれに触れた。  「でももうちょっとでイけそうじゃん」  陰嚢を軽く揉むとそこはしっかり張っていて、射精したがっているように感じた。  自分の性器を触ってくる彼の肩を押す正哉。  「いや、でも……」  「挿れる側じゃなきゃいいんでしょ? 俺がイかせてあげるよ」  正哉はシュウに手を取られ、そのまま体重をかけられベッドに寝かされた。  何度も絶頂に達していたのにまだ何かする元気があるとは、この青年はひ弱そうな容姿の割に随分体力がある。身体は細いがよく見れば筋肉が付いているので、何かスポーツをしているのかも知れない。  正哉の股間に口元を近付けるシュウ。陰嚢に舌を這わせ、そのまま裏筋を舐め上げ、先端から溢れる尿道球腺液を舌で舐め取った。  「なんかこのローションの味変わってる。変に甘い」  顔を顰めるシュウに正哉は少し笑った。コンドームに付いていたローションのことだろう。  彼はそれを舐めとるように陰茎全体に舌を滑らせる。  「やっぱり大きいや。こんなのちゃんとフェラできるかな」  「別に無理しなくても……」  「ううん、たくさん気持ち良くしてもらったお礼くらいさせてよ」  そう言ってシュウはローションを指先に付けた。そして正哉の脚を少し開かせ、後孔に2本の指を押し付ける。少し前にリクの陰茎を咥えていた開口部は、すんなりと彼の指を飲み込んでいった。  「…………っあ」  正哉の口から小さく声が漏れた。シュウの手は身体の割に大きく、指の関節が太い。その長い指は入るだけで開口部に刺激を与え、敏感な正哉の身体は反応してしまった。  「やっぱりお尻、好きなんだね」  「ん、シュウ君の指凄くイイ……もっと奥まで挿れて」  言われるがままに指を深いところまで入れるシュウ。そして正哉の腹側を探ると、ある1点で彼の身体は大きく反応した。  「うあっ……」  「ここ? 前立腺」  指先に当たっている柔らかいものを擦ると、正哉は嬌声を上げて更に尿道球腺液を溢れさせた。  シュウはそこを擦りながら正哉の大きな陰茎を口に挿れる。長さがあるので全部を咥えることはできないが、限界まで奥まで咥え込み、吸いながら頭を上下させた。  「あ、イイっ……んあぁ……」  前立腺と陰茎、両方から刺激されて快感に腰を浮かせる正哉。やはりタチの時とは違う、安心感のようなものがある。感じることだけに集中できる。  タチでないなら相手を傷つけることはない──実際にはそうではないかも知れないが、正哉にはそう思えるのだ。  「イくっ、シュウ君、もうイくっ!」  シュウに先端を強く吸われ、正哉は彼の口内に射精した。その精液を躊躇いなく飲んだシュウに正哉は驚く。  「え、飲んだの……? んぁっ、シュウ君?!」  シュウはほとんど間を空けず、更に彼の陰茎と前立腺を刺激してきた。先ほどよりも強く指先で前立腺を突き、バキュームフェラを続ける。  射精したばかりの敏感な身体にその刺激はあまりにも強く、正哉はベッドのシーツを握りしめる。  「いや、無理! やめっ……、あぁあん! だめ、もうっ……!」  正哉はシュウの左肩を掴むと、彼は上目遣いに正哉を一瞥して陰茎を口から出した。  「顎疲れた」  そう言いながら彼はその陰茎を更に手で扱き始める。もう片方の手では相変わらず前立腺を擦り続ける。  「シュウ君、駄目だって! そんなっ、されたら……!」  「されたら?」  「うああっ!!」  一際大きな喘ぎ声と共に先端から透明の液体を吹き出した正哉。解放感と快感で一瞬意識が飛びそうになった。勢い良く出た液体はシュウの顔にもかかる。  目の近くに飛んだ液体を指で拭いながらも彼はにっこりと笑う。  「潮吹きしちゃったね」  そう言うシュウに正哉は何も返さず、ただ肩で息をしている。潮吹きするなんて久々のことだった。  正哉の後孔から指を引き抜き、ティッシュを取って手に付いたローションを拭うシュウ。  「また汗かいちゃった。色々ベトベトだしお風呂行かない?」  「……ちょっと休ませて」  「そんなこと言ってたら寝ちゃうよ」  シュウは正哉の手を引っ張った。確かに時間がもう午前4時近くになっていることもありかなり眠い。このまま横になっていたら寝てしまうだろう。  正哉が渋々起き上がり、2人は再びバスルームに向かった。

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