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3章 2-3

 正哉の行為を白城は唖然として見ていた。  「お前……いつもこんなことしてるわけじゃないよな?」  そう尋ねた彼に、正哉は首を傾げた。  「白城さんのしかしゃぶったことないですよ。気持ち良かったですか?」  「あ、ああ。凄く良かったよ。驚いた」  白城にそう言われ、嬉しそうに微笑む正哉。  「どうしたら気持ちいいか、俺ももう知ってますから」  幼い頃の正哉には何故白城が自分にフェラチオさせたがるのかよくわかっていなかった。精通した今だから分かることもある。無論、正哉は小学生にフェラチオさせたいなどと思ったことは無いが。  正哉の頭を撫でる白城。  「正哉、ここに横になって」  彼が座っていたところに横になるように言われ、正哉は言われた通りにした。すると彼が正哉の上に来てその耳朶に唇を落とす。  「お前のことも気持ちよくしてやるからな」  正哉の勃起した陰茎を軽く扱きながら白城は彼の耳に舌を這わせた。ねっとりとそこを舐めまわされ、耳朶を甘噛みされる。  「ん、あぁ……」  口から甘い声を漏らす正哉。耳を舐められるのも他人に陰茎を刺激されるのも初めてで、怯えながらも確かな快感を得ていた。何より、時々こちらを見てくる白城の目が堪らない。それは自分に欲情している男の目だ。  彼の手に扱かれる正哉の陰茎は尿道球腺液を垂らし始める。それを見た彼は正哉の耳元から口を離し、先端を舐めた。それに驚いて正哉は彼の肩に触れた。  「やだ、白城さん」  「ん? 何だ?」  不思議そうに顔を上げた白城に、首を横に振る正哉。  「……駄目、あなたがそんなことしないでっ」  陰茎を舐めるのはいつも正哉が白城にしていたことだ。その立場が逆になるのは正哉にとっては気持ちの悪いことだった。  「だってそれじゃ……俺と同じ……」  正哉はこの気持ち悪さが上手く言葉に出来なかった。それを察したのか、白城は呆れたように少し笑った。  「大丈夫だ、正哉。俺とお前が同じことをするのはおかしくないさ。俺もお前に気持ち良くなってほしい」  そう言って白城は正哉の陰茎を咥えた。  自分の股間に顔を埋める白城を見て、どうしようもない背徳感に襲われる正哉。しかし彼の口内に扱かれる感覚の気持ち良さに敵わなかった。自慰する時とは比べ物にならないくらいの快感。バキュームフェラをされながら陰嚢を揉まれ、足の付け根を撫でられる。  「あっ、気持ちぃ……白城さん、イッちゃうっ」  頭は混乱しながらも、正哉はそう言って直ぐに射精してしまった。白城の口内に精液が吐き出され、正哉は泣きそうな顔をした。  「ごめんなさいっ」  あまりの罪悪感に正哉はそう謝ったが、白城は陰茎を口から出して彼の精液を飲み込んだ。  「何で謝ってんだ?」  「だ、だってそんな、汚いし……」  「お前も同じことしただろ」  「俺はいいんです!」  何故か酷く取り乱している正哉を白城は抱き締めた。  「何言ってんだ。お互い気持ち良けりゃそれでいいだろ? 気持ち良くなかったか?」  「…………気持ち良かった、です」  「それなら俺も嬉しいよ」  白城にそう言われ、目を瞑った正哉。自分は彼に快感を与えられるのが怖かったんだな、と納得した。自分が与えられる側でも別にいいのだ。  「わかりました」  目を開いて正哉がそう言うと、白城は彼の身体を放す。  「そうか。それじゃあ正哉、こっちにケツ向けて四つん這いになってみて」  突然そう言った白城に、正哉は少し驚いた。ついにそこに挿入されるのかと察しながらも、言われた通りに四つん這いになった。  「こう……ですか?」  「そうそう」  白城はベッドサイドに置いてあったローションを手に取る。その時正哉が少し震えていることに気づき、その肩を軽く叩いた。  「怖いか?」  「……はい」  「大丈夫、今日はちんこ入れないから。俺さっきイッちゃったし」  「そうなんですか?」  「初めてでそんなことしたら鬼だろ」  未成年を家に連れ込んでこんなことをしている時点で既に犯罪なのだが、という言葉を正哉は心の隅に仕舞った。  白城が手にしていたローションを正哉の臀部に垂らし、その冷たさにピクリと身体が震えた。  白城は片手で正哉の後孔や会陰にローションを塗りつけていく。そしてそこを解すように優しくマッサージした。同時にもう片方の手にもローションを付けて、正哉の乳首に触れる。  会陰と乳首を同時にそっと擦られ、正哉はゾワゾワとした快感に似たくすぐったさを感じる。  「……っん、なんか変な感じします」  「そうか? ちんこまた勃ってきてるぞ?」  会陰を触っていた方の白城の手が正哉の陰茎を掴んだ。確かにそこは硬くなり始めていて、正哉は驚く。  「何で……」  「若いってやっぱりすげえな」  そう言って笑った白城は、正哉の陰嚢を軽く揉んでから後孔に人差し指を当てた。そこにローションを更に垂らし、指を少しずつ挿入していく。  僅かに感じた異物感に正哉は眉を眉間に寄せる。  「あっ、何……?」  「やっぱり1本でもちょっとキツいな。痛いか?」  「痛くはないです」  正哉が首を横に振るので、白城は指を抜かず人差し指を奥まで挿れた。そこで少し動かすと正哉が呻いた。  「大丈夫か?」  「……はい」  そうは答える正哉だが、陰茎が萎えてきていた。白城がローションを付けた手で彼の陰茎を扱き、後孔に入った指は僅かに動かしてそこを解していく。  陰茎への刺激で快感を与えられた正哉の身体からは、徐々に余計な力が抜け、開口部も解れてきた。すると白城の指が擦る中の1点に、乳首を弄られた時と同じようなゾワゾワしたものを感じ始めた。口から漏れる声も甘い喘ぎへと変わっていく。  「ん、あっ……ぅ」  「気持ち良くなってきたか?」  「なんか奥が……変な感じです」  「ああ、ここか?」  白城が陰茎を扱く手を止め、正哉の体内の1点を今までより強めに擦った。すると正哉は先程より強く快感のようなものを感じた。  「あっ、そこです、ゾワゾワする」  「慣れてきたらここでイけるようになるよ」  「……何か、もっとそこ……触ってほしいです」  正哉の言葉に白城は笑った。  「お前ど変態の素質あるぞ」  「えっ、そうなんですか?」  恥ずかしげに正哉は頬を赤らめた。

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