17 / 34

初体験

「狭い…」 2人でベッドに入って、1枚の布団を2人で共有したところ、青葉が呻くように漏らした。 「そりゃあ、さすがにシングルベッドで野郎2人ではなあ」 敏雄はクスクス笑った。 青葉はまだ照れくさいのか、敏雄から距離を置こうと必死になってベッドの端に寄ろうとしている。 「おい、そんな端まで行ったら、寝返りうったときに落っこちるぞ」 「…はい」 敏雄にたしなめられて観念した青葉は、素直にベッドの中央のほうへ寄ってきた。 「抱き合うか。きっと、あったかいぞ」 敏雄がまたしても青葉をからかう。 「暖房つけましたけど…」 「んだよ、コイビト同士なんだから、抱き合うのは普通だろ」 青葉は敏雄に対して「ズルい」と感じた。 この上司は、青葉が何か渋るたびに、こうして「恋人」であることを持ち出すのだ。 告白したのは青葉のほうからだ。 それをいいことに弱みにつけ込むようにして、こうやって我意を通そうとしてくる。 「わかりましたよ…」 結局、いつも青葉が折れて敏雄のからかいに応じる羽目になる。 「いい子だな」 ここで敏雄は、また新しいイタズラを思いついた。 敏雄は布団の中で身じろぎすると、青葉の股に手を伸ばして、男根を指先で弄びはじめた。 「ちょっと!伊達さん、何するんですか!」 驚いた青葉が敏雄の手首を掴む。 「ナニしてんだよ」 「やめてください!」 股に触れようとする手を払おうと、青葉はもがいた。 「生娘みたいだな、初めてってワケでもあるまいし、そんな怒るなよ」 「………て、です」 青葉が消え入りそうな声で、何か言った。 実際、語尾が消え入ってしまったせいで、上手く聞き取れなかった。 「初めてなんです、そういうことされるの……」 「は⁈あー…野郎にコレされるのがか?」 今度は敏雄が驚かされた。 「女の人とも、その…経験は無いです……」 「あー、そうか…」 敏雄は言葉に詰まった。 何の根拠もなく、青葉は男も女も経験済みと勝手に思い込んでいたからだ。 ──25歳で未経験とか… そういう若者がいることは知っていたし、近年は増加傾向にあるとも聞いたことがある。 それこそ、30歳になっても経験がない若者だっているとも聞いている。 だが、いざ目の前にすると、別な生き物に出くわしたかのように戸惑ってしまう。 もっとも、その戸惑いはすぐに立ち消えて、今度は好機とばかりに青葉に擦り寄った。 「じゃあ、お前のハジメテ、俺が貰っていいか?」 「…え⁈」 「ジッとしてろよ」 敏雄は布団に潜り込んで、青葉の股に顔を近づけた。 「ちょっと、え⁈」 困惑する青葉を置き去りに、敏雄は青葉が履いているジャージとトランクスをずり下ろした。 同時に、雄の臭いがムワッと鼻腔を突きつけてくる。 「筆下ろししてやるよ」 「いや、あの…」 青葉が躊躇いがちに、ズボンとトランクスのウエストを上げようと掴んでくる。 「どうした?やっぱり初体験がこんなオッサンじゃあ嫌か?」 敏雄は泣きじゃくる幼児を宥めるような手つきで、青葉の手の甲を優しく撫でた。 「違いますよ、明日の仕事はどうするんですか?支障は出ないんですか?」 「安心しろよ。一発ヤったらそのまま寝るからよ」 有無を言わせず、敏雄は青葉の男根を扱き始めた。 「あっ…ちょっ、だてさんッ」 「ヨくしてやるよ」 敏雄は布団を捲って、青葉の体に馬乗りになった。 「立派なもん持ってるなあ、お前」 馬乗りになった敏雄は、嬉しそうに青葉の男根を扱いた。 「あっ…ちょっと!伊達さん!!」 敏雄の手の感触が心地よくて、嫌でも体が反応してしまう。 敏雄の手慣れた性刺激に、青葉の男根はあっという間に勃ちあがった。 「ははは、やっぱり若いだけあって元気がいいなあ…」 言うと敏雄はその場から離れてベッドから下りると、リビングに放置していたコンビニの袋を持ってきた。 「え…えーと、伊達、さん?」 ひとりベッドに取り残された青葉は、寝転がったまま不思議そうな顔をして敏雄を見つめた。 「悪いな青葉、コンドームとローションつけるから、ちょっと待ってろ」 「ああ…そういうこと……」 横になったままの青葉が、納得いったというような顔をした。 敏雄はもう一度ベッドに上がると下着を脱ぎ、天を向く青葉の男根に避妊具を被せ、ローションを右手に垂らした。 「すぐに慣らしてやるからな、まだ辛抱しててくれ」 右手をよく揉み込んで、ローションを温めると、敏雄は尻の合わいに自分の指をあてがった。 「んっ…んんっ!」 「大丈夫ですか?」 呻きながら指を出し挿れする敏雄を、青葉は心配そうに見つめた。 「大丈夫だ。もう充分に慣らしたから、すぐに乗ってやる。ジッとしてろよ?」 「はい…」 敏雄はもう一度青葉に馬乗りになると、ほんの少しだけ腰を浮かした。 「ふうっ…んっ…」 敏雄は尻たぶを自分で割り開くと、青葉の男根に腰を落としていった。 「あっ…だてさんっ!」 「おお入った入った。やっぱりデカいなあ、お前」 初めての感覚に驚いて呻く青葉を見下ろしながら、敏雄は舌舐めずりをした。 腸内の圧迫感がすさまじい。 青葉の男根の膨張ときたら、このまま腸壁を破ってしまうのではないかというほどで、それがまた敏雄を興奮させた。 「動くぞ。晴れて童貞喪失だ、喜べ!」 青葉の返答を待たずに、敏雄は男根が最奥に当たるように強く体を上下に揺さぶった。 「あっ、ちょっ……だてさん!ダメです、そんなっ」 「ふふっ、ふうっ…あっ…なにが、ダメなんだよ?イイくせに」 敏雄の腸内で、男根がより膨張するのを感じた。 アレでまだ完全には勃ってはいなかったのだとわかって、敏雄は驚いたと同時に興奮が増した。 「す…すみません、だてさん!」 何故か青葉が謝罪を始めたと同時に、大きな手が伸びてきた。 「え⁈あ、おい!」 皮膚に指が食い込むくらいに、強く両脇腹を掴まれたかと思うと、青葉は上下に腰を揺らして、敏雄の腸内を抉り始めた。 「あっ…おい、んんっ、はあっ、あ、青葉っ!この、聞かん坊!」 男根が最奥に幾度も当たっては引き、当たっては引きを繰り返す。 腰の奥から延髄、終いには脳の根幹まで、暴力的なまでの快感が駆け巡ってくる。 「すみませ…だて、さん、ぼく、もう、でます!」 「ああっ⁈」 避妊具越しに熱い精液が放たれたのを感じたと同時に、敏雄も絶頂を迎えた。 事が終わると、青葉は腰を掴んでいた両手を離して、放心状態で天を仰いでいた。 「激しかったなあ、青葉」 敏雄は膝に力を入れて立ち上がり、男根を引き抜いた。 「伊達さんも…」 「ははは、そうだなあ。青葉、起きろ。ゴム抜いてやる」 青葉が言われたとおりに上体を起こした。 敏雄は、青葉の男根から避妊具を引き抜くと、使用済みの避妊具をそばのゴミ箱に放った。 「悪い、ティッシュねえか?」 「ここです」 青葉は緩慢な動きで、そばに置いてあったティッシュを手渡してきた。 「ありがとよ」 敏雄はティッシュを2、3枚手に取って青葉の股を拭いてやると、それをゴミ箱に放った。 さらにもう2、3枚取ると、今度は自分の下半身を拭いた。 「ねえ、伊達さん」 青葉は起こした上体を元の位置に戻しながら、名前を呼んだ。 「何だよ?」 敏雄は服を着込むと、青葉の隣に寝転がった。 「敏雄さん、って呼んでいいですか?」 「いいぞ」 なんだそんなことか、と敏雄は微笑ましい気持ちになった。 「ぼくのこと、名前で呼んでくれますか?」 「わかったよ、春也」 「ふふ…」 名前で呼んでやると、青葉は安心しきったような顔をして、そのまま寝入ってしまった。 その幼さの残る寝顔がなんだか可愛くて、敏雄は青葉の頬をひと撫ですると、彼と同じようにすぐに寝入ってしまった。

ともだちにシェアしよう!