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第7話

 そんな内に、聖夜当日になった。今回僕は、妹と弟のアルバートの三人で参加した。礼儀としてジャック様と、後は本日は第二王子のエドワーズ殿下と、第三王子のカール殿下にご挨拶をする事になっている。ジャック様と第二王子殿下は一学年差、第三王子殿下は弟と同じ年だ。 「フェルナ……」  僕達が挨拶に向かうと、ジャック様が目を丸くした。すると第二王子殿下が腕を組んだ。 「ジャック兄上、僕はフェルナ卿とはあまりお話をしたことがないので、改めてご紹介ください」 「あ、ああ……フェルナ・エルレス。エルレス公爵家子息だ」 「改めまして、エドワーズ殿下」 「うん。よろしくお願いします。ええと……挨拶を受ける役目もそろそろ終わりだから、僕とカールで代行できるし、少し話をされては? 兄上、ほら」 「あ、あ、ああ! うん! フェルナ、ちょっとそ、その……」 「特にお話することはないので、お気遣いは不要です」  僕が笑顔で断言すると、何故なのか妹と第二王子殿下がちらっと視線を交わしてから溜息を零し、弟と第三王子殿下は二人で話し始めた。その場を見守っていると、父上が顔を出したので、僕はそちらを見た。 「兄上……毎日会いたいと言っておられたのに……」 「……」 「殿下……お兄様から殿下への好意を私は一度も感じ取ったことがないのですが、本当に幼少時には親しかったのですか?」 「……」 「ただ確かにフェルナ卿は、セリアーナ嬢にそっくりで、すごい美少年だね」 「ええ。兄上は顔はとても整っています。私ほどではありませんが」 「セリアーナはそれ、人前で言わない方がいいよ」  僕以外の三人と、弟たちはなにやら喋っているが、僕は何も聞いていなかった。  このようにして、聖夜の一幕は流れていった。  なお幸いなことに、十一歳から十三歳までの二年間、僕は王宮に呼ばれなかった。理由は知らないが、とても幸運だった。代わりにセリアーナと弟がちょくちょく呼ばれている。僕はその間もひたすら語学力を磨いた。  十四歳になったこの日、僕はどうしても調べたい事があり、図書館へと向かう事にした。王宮付属の専門書がある図書館で、僕は既に何度か一人でも来た事があった。せっかくだから古代語も覚えることにしたので、どうしても手に入らない本が出てくるせいだ。

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