11 / 20
第11話
指が一本入ってきた。香油が冷たい。そう感じた後、すぐにその温度が内部と同化した。くちゅりと音を響かせながら、ジャック様が僕の後孔を解している。緊張から、僕は喋る気にはならない。ジャック様も喋らない。お互いに無言だから、香油の音がすごくよく聞こえてくる。その時、指が二本に増えた。増量された香油がまた少し冷たくて、すぐになじむ。なんだこれ、緊張もするが、恥ずかしいな……。
「ぁ……」
そう思っていたら、中のある個所を二本の指先で刺激された瞬間、ゾクリとした。
「ここか?」
「え? え? ま、待っ……んッ」
なにがここなのかは分からないが、そこを刺激されるとゾクゾクする。ジャック様はそこばかりを刺激し始めたので、僕は必死に唇を結ぶことになった。その内に、指が三本に増えた。それをバラバラに動かされるようになった頃、僕の体は息が苦しいのもあって、熱くなり始めた。
「ぁ、ぁ、ぁ……」
そのまま――一時間近く解された頃には、僕はすすり泣いていた。体が熱い上に、いつのまにかその熱は陰茎に集まっていて、内部からのもどかしくじれったい刺激とあわさったせいで、思考が上手く働かなくなってきていた。
「んっ、ぁ……ぁァ……ああっ」
自分の口から、信じられないくらい甘ったるい声が出てくる。
「ひっ、ぁァ……んン……ぁっ……も、もう止め……あア!!」
「もう少し解した方がいい」
「っン――!!」
僕はその後も解されるうち、完全に泣いた。気持ち良すぎて、これはまずい。
「そろそろいいか」
「ぁァ……あああああ!」
その時、指を引き抜かれて、一気に貫かれた。その衝撃で僕は放ってしまった。鮮烈な射精感に飲まれていると、根元まで挿入した状態で、ジャック様が動きを止めた。硬い。それに指とは比べ物にならないくらい、長くて太い。
それからゆっくりと抽挿が始まった。この頃には、僕の体はもうぐずぐずだった。巧い、巧すぎる。人生で初めてSEXをしたけれど、童貞である僕にこれをまねできるかと言われたら、絶対に不可能だ。
「んン、ぁ……あ!! あ、あっ」
「一度出す」
「うあああ!」
ひときわ強く貫かれ、僕は内部に飛び散るものを感じた。その衝撃で、僕も再び放った。肩で息をしていると、一度陰茎を引き抜いたジャック様が、ぐったりとしていた僕の横に寝転んだ。
「少し休むか?」
ともだちにシェアしよう!