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第12話
「え? もう終わりじゃ……?」
「今日は朝までだ。明後日は半日ほどだな」
「へ? 朝!? しかも、明後日!? 一回だけじゃ……?」
「これから一年間は、俺が学び終わるまで付き合ってもらう」
僕は衝撃的過ぎて、目を見開いた。
宣言通りで、その日は朝まで抱きつぶされた。もう学び終わっているとしか思えないが、僕はどうすればいいのであろうか。
僕は三日に一度は王宮に呼び出されるようになってしまった……。何をしているのかと言われたならば、SEXである。特に会話もなく、部屋に到着したら押し倒されて、そのあとはジャック様の公務との兼ね合いで早く帰れる日と帰れない日はあるが、どちらにせよずっと体を重ねている。
春も夏も秋も冬も。
全然呼び出される頻度は衰えない。僕の体からはキスマークが消えないし、どころか悪い事として、あんまりにも抱かれたせいで、僕の体は快楽を覚えてしまった……。SEX、気持ちが良いのである……。
僕とジャック様は何かと相性が悪いと思っていたが、体の相性は良いようだ。
剣で鍛えたのだろう引き締まった体で、激しく抱かれたり、逆にずっと焦らされたりする内に、僕は嫌ではなくなってきた。
ただこの生活には、終わりがある。来月、僕とジャック様は、それぞれ王立学院に進学する。閨の講義は一年間だけなので、来月になれば、僕とジャック様の関係は終わる。なお、王立学院は王族であっても、入寮する。
なお僕の危惧すべき事としては、僕達が第二学年になった時に、乙女ゲームが開始するので、そちらのヒロインがやってくる事だろう。まだ現在も、妹とジャック様が婚約したという話は聞かないが。
この日も散々抱きつぶされて、僕は帰宅した。
さて、四月。
ついに入寮する日が訪れた。最後にジャック様と会った時は、実はもう一回会う予定だったのだが、急な公務の都合で最後の一回が中止となり、流れるようにして閨の講義は終了した。同じ学院内にいるから顔を合わせる事はあるだろうが、もう僕達が体を重ねる事はないだろう。しかし本当、なんで僕が担当したんだろう。考えてみたが、分からない。
「小さい頃にいじめてた仕返しかな? うん、それが濃厚だなぁ」
当時は散々泣かせた僕だが、この一年はずっと僕が泣かされていた。
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