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中学編~第七話

「……い……おい……あおい」 (遠くから目覚ましの音が聞こえる。うるさいな…俺はまだ寝てたい……) 「…葵!ほら、さっさと起きろ。遅刻するぞー、おまえ」 「んー…」 翌朝、雅やんに叩き起こされ、ようやく目が覚める。 『身体中が痛い。あれ?俺昨日ヤったっけ?』なんて起き抜けの頭で色々考えて、昨日の試合を思い出す。普段使ってない筋肉酷使したから、全身が筋肉痛なのだと思い至る。週一で筋トレしているとはいえ、この痛さは酷い。少し身体を動かすと多少筋肉が解れたのか、起きた時よりは大分マシになった。 「お前最近、ようやくまともな中学生活送ってんな。そのまま健全に中学生活終えて欲しいんだけどな、オレとしては…」 「嫌だね。今回はたまたま試合出ることになっただけで、俺は遊んでる方が性に合ってんの」 「はーちゃんや、お前の母ちゃんに会ったらどう説明するか、オレは頭いてーよ」 頭を抱える雅やんに『いってきます』と言って学校へ行く。 学校に着くと彼女や友達に『おめでとう』の言葉をもらって、なんだかくすぐったい。冬の大会も出て欲しいと頼まれたが、断った。部活を真面目にやっていると、夜雅やんの店に行く気力がなくなるのだ。不純な動機だろうがなんだろうが、俺は遊びたい。 大会も終わり、安堵した葵を待っていたのは怒涛の学校行事。体育祭に文化祭もどき、合唱コンクールに校外学習。 そんなに行事をつめこまなくてもいいだろうと思う。一番側近の行事は体育祭。部活の練習に明け暮れていて、すっかり忘れていたというか、授業では散々動きの確認やら競技の練習やらをやらされてはいたのだが、どうでもよすぎてなあなあに流していた。

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