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中学編~第七話
気付けば、体育祭の本番は明々後日の3日後。明日は、体育祭の予行練習があるらしい。
とりあえず、明日は学校を休もうと決める。自分の出る競技は、把握してるから問題ないだろう。残暑厳しい校庭の炎天下で、体育祭本番だってやりたくないのに、予行練習などそんなことやってられるものか。
彼女を含め、女子たちは体育祭で全員ダンスを踊るそうだ。雅やんにそのことを話したら、体育にダンスが取り入れられるようになったのは最近らしい。
翌日、適当な理由をつけて学校を休み、近くのジムへ向かう。あの大会後みたいに、終わったあと身体中バキバキというのはもう懲り懲りだ。
夕方くらいになると、彼女が今日配られた学校のプリントやなんかを、家まで届けてに来てくれた。今回の彼女は、わりと女子グループの中で中心にいるタイプの子。ハツラツとしていて、ムードメーカー気質。しおりとは逆の性格だけど、それでも可愛いと思えてしまう。お互い部活が忙しくて、まだデートらしいデートは出来ないまま一月半が経ってしまった。部活終わりに一緒に帰ったりはしていたが、それ以上のことは出来ていない。
「茜……何も予定ないなら、少し上がってく?」
本当は家に人をあげたくはないのだが、このまま週末あたりにデートしてさよなら、というのはしおりの時との差がありすぎて、不公平だと言われかねない。
体育祭の振替休日にどこか行こうと提案したら、ちょうどチケットをペアで譲ってもらったから、夢の国に一緒に行きたいということだったので、断る理由もなく了承する。
そして迎えた体育祭当日。
雅やんが『見に行ってやろーか』と面白半分で、からかってきたから蹴飛ばしてやった。
昨日の夜たまたま店に来たノブママに体育祭のことを話したら、なぜか朝特大弁当が用意されていた。朝方ノブママが、家まで届けに来たらしい。
茜はというと、こちらも両親が張り切って色々準備しているようで、おそらく抜けて来られないだろうということだった。流石に一人で食べきれる量ではないこともあり、お昼は男二人でむさ苦しいことになりそうだ。
そして残暑厳しい炎天下の中、体育祭が始まった。
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