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中学編~第九話

「……女子か…俺は…」 一人突っ込みを入れて、巽の寝顔を堪能する。しばらくして、起きた巽と昼くらいまでダラダラと過ごして、家へと帰る。 ◆◇◆ 楽しかった日々はあっという間だ。あと一週間で学校が始まってしまうと考えると、憂鬱で仕方がない。 そして、年が明けて今日は始業式。 ちなみに大晦日は、雅やんの店で毎年恒例だというカウントダウンパーティで年を越した。店の中は珍しく大混雑で、本当は遊び相手を見つけようと思っていたのに、忙しくこき使われてそれどころではなかった。 冬休みとはなんと短いのだろう。盛大な溜息を吐きながら、渋々学校へ向かう。 『行きたくない』と嘆いていたら、雅やんに叩き起こされてしまったのだ。 クリスマス辺りまで少し気を張っていたからか、そのあとすっかり腑抜けてしまった。学校が始まると同時に、色々思い出して気分が滅入る。 退屈で、眠い、寒い、以外の何物でもない始業式が終わり、来週からはテストだとか、進路を考えておけだとか、お決まりの話があり、そして放課後――。 『待ってました!』と言わんばかりに、女の子に告白される。 これを持ちかけたのは自分だ。 だけど――。 「……ごめん。それ、もう止めにしていいかな」 持ちかけたのが自分なら、終わらせるのもまた自分。やはり今更だが、後ろめたさとか、罪悪感とか。巽との一件で、騙す時の心苦しさったら。

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