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中学編~第十話
そんなわけで、迎えた三年生。
部長を他のやつに譲り、自分は後輩指導に当たる。部長はさすがに面倒臭い。副部長とて、半ば強制というか、気付いたら任されていただけで、本意ではないのだ。そして、後輩指導を理由に、試合に選手として出場することはなかった。自分とやり合える相手がいないのだ。
担任は相変わらず、橋本だったが陰湿なことはされなくなったので、とりあえずは放っておくことにする。やることはやっているのだ、文句はあるまい。ちなみに、去年は色々と腹ただしいこともあったので、嫌味を込めて英語のテストは、いつも100点を叩き出している。もちろん、英語の授業はほとんど睡眠学習だ。
告白も恒例行事化してきているが、断り続けている。
放課後いつも通り指導に当たりながら、朝霧のことを考える。
『もう一度くらい戦いたい』
当然、朝霧はもう卒業してしまっているから、また会える可能性は限りなく低い。そんなわけで、ますます試合には出たくない。
部活が終わって、店へ行くと廣瀬の姿。
「……っ」
雅やんには当然廣瀬のことを話してあり、店を出禁になっていた。
それなのにこうして店内にいるということは、気付かれないようにそっと入って来たということか。生憎雅やんは、他の客の相手をしていてこちらに気付く様子はない。
「久しぶりだね、葵くん」
「…帰れよ」
「…お客さんに対して、それはひどくない〜?」
「…出禁喰らってる奴が、なに言ってんだ」
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