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高校編~第一話

教室に戻って、授業に出る。 この学校の最大の特徴は、一年生でも選択科目がものすごく多いことだ。中学から大学までの一貫校で、それぞれの学年の必修科目の他に全学年共通で、選択科目が設けられている。その分外国語一つ取っても、初級から上級まで科目が分かれており、中学生と大学生が同じ講義を受けるなんてこともザラにあるそうだ。 その日から、五十嵐と連むことが多くなった。 昼休みなどは、使われていない空き教室を陣取り、くだらない事を話して過ごす。放課後は、だいたい五十嵐の欲求不満解消に付き合ってやる。葵以外、そういう相手を五十嵐は知らないのだろう。 部活の入部届けを提出してしばらくして、担任が『部活に一度顔を出せ』とあまりにもしつこいので、仕方なく顔を出しに行く。 中学時代の成績などで、しつこく勧誘されるかとも思ったが、一年間ずっと試合に出ていなかったせいなのか、何も言われなかった。そして一貫校だからなのか、部員数がダントツで多いのだそうだ。しかも、高等部は全国大会などで成績をおさめているらしい。近さと学力だけで学校を選んだ葵が、当然そんなことを知るはずもなかった。 監督曰く、『今日は大会でレギュラー陣が出払っているから、後日また挨拶に来るといい』とのことだったが、もちろんお断りだ。 部活への顔見せも終わって、五十嵐との行為に飽きを感じて来た頃、五十嵐が中等部の男子生徒を連れてきた。 「…礼央…お前の後輩?」 「みたいなもん。たまたま講義で一緒になって、興味あるっていうから連れてきた」 「……あずま…、…東祐樹と…言います……」 「あからさまに緊張してんじゃねーか…」 「…そのうち慣れるだろ」 「……」 とはいえ、がっちがっちに緊張してる相手と身体を重ねる趣味はないので、とりあえずは普通に接する。別に、葵自身は相手に困っているわけではないので、何も問題はなかった。

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