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高校編~第一話

だが、礼央は違ったようだ。すっかり葵との行為に味を占めたらしく、度々行為を要求してくるようになった。 「…あおいー、触らせろよ。最近、全然構ってくれねーじゃん」 「…祐樹に見られたら、どーすんの」 「…そん時はそん時だろー?」 「お前…そーゆー趣味?」 「違うけど、あおい…外で会ってくれねーしさ」 礼央には、店のことは話していない。このタイプは、懐かれると面倒くさいと経験から知っていたからだ。 「…分かったよ」 溜息を吐いて、礼央を組み敷く。礼央は少々面倒くさいところもあるが、身体の相性は悪くない。  行為の真っ只中、そろそろラストスパートをかけようかというまさにその時だった。 「……先輩、お邪魔しま……っ!」 ガラガラと扉が開いて、祐樹がいつものように顔を出す。そして、目の前の光景に息を呑み、完全に頭がフリーズしてしまったのか、その場で固まってしまう。 「…ゆう、き…っ!?」 礼央は礼央で、実際に見られると恥ずかしかったのか、葵から逃れようとする。そんな礼央の腰を抱きながら軽く突き上げ黙らせると、祐樹を手招く。 「祐樹、大丈夫だからおいで」 「……っ」 我に返ったような表情をして、祐樹がこちらへやってくる。その瞳は熱に当てられたのか、どこか物欲しそうな色を浮かべていた。 今まで3人で、というのは経験がなかったがヤることは一緒だと思う、たぶん。行為を終えて、葵の肩で静かに寝息を立てている祐樹の頭を撫でながら、余韻に浸る。 「……すごかった…」 思っていたのとは全然違う。

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