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高校編~第二話

 数ヶ月後 「……礼央…、そんなに抱き着かれたら…首締まるって…っ」 「だ…だって、そうしねえと……」 ガラガラッ――  礼央と戯れに肌を重ねていると、突然の来訪者。  「……誰かいるのか?」 「…!」  礼央の身体がビクッと跳ねる。驚いて振り返ろうとする礼央を抱き締める腕に力を込めそれを制して、礼央の首元から顔を覗かせ葵は来訪者を確かめる。 (…朝霧秋葉(あさぎりあきは)……?) 「……ッ!?わ、わるいっ…!」 「……」  2人の視線が重なる。明らかに動揺した様に大きく目を見開いて、先に視線を外したのは朝霧秋葉の方だった。すぐに踵を返し教室を出て行ってしまう。 (……ここの学校だったのか)  まさかこんな所でまた会えるとは思わなかった。 「…あ、あおい……」 「ん?……大丈夫だから、続きシよ?」  不安そうな礼央に笑いかけて、一層強く突いてやる。 ◆◇◆  それから数日後の昼休み。あの日、時間にして数十秒とはいえアレを見られてしまったのだから、教師に呼び出しでもくらうかと思っていたが、今のところそんな気配は全くない。 「なあ、葵。この前、その……見られた…じゃん?……あのあと、なんもねえか?」  昼休みになるなり、葵の教室に来た礼央が心配そうに問うてくる。例え何かあったとしても、意外とどうにでもなるものだと、これまでの経験から葵は思う。それに比べ、礼央はそういう経験がないゆえに不安なのだろう。 「…うん。なんもないから、心配しなくていいんじゃん?なんかあったら、その時はその時だ「おーい、藤堂!」」 「?」 「なんか、3年の先輩がお前の事呼んでっぞー」 (……朝霧秋葉か…。思ったより早かったな)  呼ばれた方を振り返ると、何とも複雑そうな顔をした朝霧が僅かに見える。 「んー、今行く」  『大丈夫だ』ともう一度礼央に言って、葵は席を立つ。 「……」 「それで?一言も話してくれないでここまで連れてきて、俺に何の用です?」  朝霧に連れてこられたのは、葵たちがいつも放課後使っている空き教室だ。 「アンタもアレですか?『男同士で』とか『学校で』とか言う口ですか?」 「いや……」  一向に話そうとしない朝霧に痺れを切らし、葵は少し皮肉めいた口調で朝霧に問う。 「……俺は、あんたたちのセクシャルに興味はない。公共の場でああいう事をするのは関心しないが、俺は風紀委員でもなんでもないからな」 「……」  朝霧の言葉に思わず開いた口が塞がらない。てっきり、非難されるとばかり思ってたからだ。 「…なんだ、告げ口でもされるかと思ったのか?」 「はあ…まぁ、そうっすね。それか、口止め料とかってやつですかね。アンタそういうことするタイプに見えないっすけど」

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