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第10話
「お前の飯うまい」
「でしょぉ。いつでも嫁に行けるよ」
「···············」
「何もツッコんでくれないんだね、期待してなかったけど!!」
「うるさい」
「あんたが静かすぎるんだよ」
静か、うん、本当にそう。
口数も多いほうではないと思うし、服装だってすごく落ち着いてるし、動きだって音をあまり立てないし。
「お前は髪もうるさい」
「髪ぃ?」
「金髪、自己主張しすぎだろ。ちょっとくらい静かになれ。」
「似合ってるでしょ〜」
「···眩しい、目がチカチカする」
「似合ってるかどうかを聞いたんだけど!」
話はうまく噛み合わない。けれどそれが面白く思える。笑い続ける俺に苛立ってるみたいだけど。
「さ、じゃあ俺帰るね」
「ん」
「何?寂しいの?」
「ぶっ殺すぞ、テメェなんていてもいなくても同じだ」
いても、いなくても同じ。
それ昔言われたことあるなぁと少しイラついて心が冷える。
そのせいで言葉を口走ってしまった。
「···教えてあげる。俺はきっとあんたにとっていなくてはいけない存在になるよ。」
「は?」
「俺はあんたの特別になる。」
「ならねえよ」
「なるよ〜、もう既にちょっとなってるよ」
「おい、俺はお前だけじゃねえ。鬱陶しかったらこの関係をすぐにでも切る」
「俺だってあんただけじゃないよ。いつ切られたって遊び相手はいくらでもいる」
ちょっとした喧嘩、本当に切るつもりはないだろうって
「わかった、じゃあもう終わりだ。早く帰れ」
「···うん」
思ってたんだけどなぁ。
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