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第17話
「ねえハルくん!!すごいよあれ!!」
「どれ」
「あれだって!!」
「見えねえって、あれってお前の指してる手が邪魔」
「もう!!」
ナチくんはワーワーうるさく騒いで若は落ち着けよとナチくんの髪を撫でてるのをミラーで確認した。
「若ー、ここら辺で一番でかいショッピングセンターに向かってるんですけど、良かったですか?」
「おう、いいぞ」
「ねえハルくん何買うの?」
「んー、いっぱい」
「ふーん」
ナチくんは興味があるのか、ないのか。
くくって笑うと「何笑ってんだー?」って若に聞かれたけれど何にもないですよ〜ってまた笑う。
「今のなんかムカついたから赤石、何か奢れ」
「え゛···わかりましたよぉ」
「俺にも何か買って?」
「···はぁ、わかった」
笑わなきゃ良かったって心底思う。
「で、何奢ればいいんですか」
「甘いもの食いてえ!!クレープ!!」
「昼飯は?クレープ食べた後に食えますか?」
「食えるわ!!俺の胃袋舐めんな!」
「わーすみません」
「思ってねえだろ!」
笑う若に俺も食いたい!って手を挙げたナチくん。二人に何を食べるのか聞いたらいちごチョコバナナって女子高生かってツッコみたくなった。
「買ってくるんで、座っててください」
「おう!ありがとな!」
クレープ屋に一人で向かって出来てる列に並ぶ、注文して商品が出来上がるのを待ってると「とうりくーん」って聞いたことのある名前を呼ぶ女の声が聞こえて思わず振り返った。
「···あ。」
そこには俺の知ってるあの燈人がいて、固まった。女と腕を組んでそこで話をしてる。
「お客様、お待たせしました。こちら商品になります」
「あ、ありがとうございます···」
クレープを受け取って、まだそこにいる燈人。わざと近くを通って気付いてくれないかなぁなんて少し期待をして、二人の隣をささっと歩く。
「昨日も女の子と遊んでたの?」
「遊んでなんかねえよ」
「え、遊びじゃないの?もしかして本命の子?」
「違う」
「じゃあ何よ〜」
その会話を聞いて胸が痛くなった。でも本命じゃなくて遊びでもないなら、何なんだろうか。
会話が気になって通り過ぎたところで一度振り返る。
「──あ。」
「あ。」
目が合ってしまった。
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