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第27話

「俺はね、ヤクザ。一応組の幹部してる」 「は···?お前が幹部で大丈夫なのか」 「何それ!酷い!」 うえーんって泣く真似をするとうざそうに目を細めた燈人。あんたは何してんのさ、というか何でヤクザって聞いて驚かないんだろう。そう思いながら詰め寄れば言いにくそうに俺から視線を逸らした。 「ちょっと、教えてよ」 「あー···おう」 「早く!!」 「···俺は、若頭」 「わ、かがしら!?え、待って、若頭!?」 「ああ」 焦って燈人から離れた。そしたら燈人は困ったみたいに笑って俺に手を伸ばしてくる。 「そんな反応しないでくれ。」 「いや···うん、ごめん。あのさ、苗字からするに···桜樹組?」 「ああ。お前は」 「俺は、浅羽組···」 「は!?浅羽!?」 今度驚いたのは燈人だった。それはそうか、ここら辺を占めてるのは浅羽組だ。 俺は桜樹組のことを頭の中で何とか思い出そうとしてピコン!と思い出した。 「桜樹組は、浅羽組と仲、いいよね?確か」 「ああ」 「···あー!よかった!!敵だったらどうしようって思った!!」 安心して燈人に擦り寄りよかったよかったって息を吐く。 「今日、俺と一緒にいた2人覚えてる?」 「なんとなく」 「あの内の、金髪の方、あれうちの若だよ」 「そうだったのか。俺は浅羽の若頭に会った事がねえからさ」 「うん、今度組に来る事があったら紹介するね。」 「ああ」 安心したら眠たくなってきた。燈人とベッドに向かってゴロンと寝転がる。 「ねえ、俺の事好き?」 「···まあまあ」 「えぇー。俺の事好きになってよー」 「なるんじゃねえの、そのうち」 「ほんと!?」 「ほんと。ほらもう寝ろうるせえ」 電気を消されたから燈人に引っ付いて目を閉じた。このまま、お互いが好きになって幸せになれたらなって···思ってたのに。

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