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第44話

「おー、珍しく早く帰ってきたじゃねえか」 「若、寝ちゃったんだよ。ねえ、若って単位大丈夫なの?」 「大丈夫だろ、あの人は計算して休んでる」 「俺も高校の時そういう計算しとけばよかったなー」 はぁ、と息を吐くと仕事しろよーって何かの予定表みたいなのを渡される。 「何これ」 「今度会合がある」 「わー、マジか」 「参加する組はこれに書いてある、目ぇ通しとけ。お前組の頭は知ってても若頭は知らねえだろ···全員覚えろよ」 「そんなの覚えらんな······うっそ」 燈人の名前があるんですけどー。一気に気分が沈んでそれを八谷突っ返して桜樹組も絶対来るのかと聞いてみる。 「これは強制参加だからな」 「泣きそうだよ俺」 「桜樹組に何かあるのか」 「個人的にね」 まあ頑張れって肩を叩かれてちょっとイラっとした。頑張りますよ、仕事ですもんねー!!とか思って。 「これっていつだ···?」 予定表を見ると3日後らしくてもっと早く教えてくれよって八田の背中を睨んだ。 そしたら─── 「喧嘩なんてしなかったかもしれないのに···」 共通の話題があって、たくさん会話して、もっと俺のことを信じてもらえたかもしれない。なんてことを考えてしまう。まあどうせこの会合の話なら3、4回言葉のキャッチボールして終わりだろうな。 変わり無いか。

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