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第47話
組に帰るとすぐに何かのリストを渡された。
いろんな組の名前が書いてある。そこには浅羽組の名前もあった。
「4日後、会合があります。組の頭、若頭の名前をそれぞれ覚えてくださいね」
「···もっと早く言えよ」
「すみません」
まあ4日もあるんだしいけるな。と一人頷いて名前の確認とどんな顔だったかを写真を持って来させて覚えて、全部を覚えた頃にはとっくに日は変わっていた。
「ちょっと寝るか」
ベッドに入って目を閉じるとすぐに眠れた。
「若ー?」
「ん···」
「起きてください!後これだけしたら帰れますから!!」
そうして寝てたのにすぐに組員に起こされて苛立ちながらも椅子に座る。俺のサインを書けってんで資料を読んでからサラサラとサインを書くとこれで終わりです!ってにっこり笑顔で言われた。
「帰っていいのか」
「はい、車出しますか?」
「頼む」
帰ったら、あいつはいないだろうなと思うとまた胸がもやもやしだして苛立ちが増してきてたまらなくなる。羽島が車を出してくれて家に帰るとやっぱりあいつはいない、この苛立ちをどこに持っていけばいいのかもわからなくて、窓も開けないでタバコを吸った。
朝、7時半頃。
もう何本目かもわからないタバコを吸ってた時、玄関が開く音がして廊下を歩く足音も聞こえた。帰ってきたのか?
リビングに入ってきたのはあいつだった。
顔をしかめて「換気をしろ」と窓を開けようとする。その姿を見てると昨日のことを思い出して咄嗟に立ち上がって赤石の腕を掴んで
「いった!」
「出てけ」
痛がる赤石をみて悪いと思わなかった、お前が悪いんだって、それだけ。
「はぁ!?ちょっと、何怒ってんのっ!?」
わかんねえのかって、俺からあの女は何だって、よくここに来れたなって、全部言ってやった。そしたら何の話だって赤石は怒り出す。
それにまた苛ついて壁に赤石を押さえつけ睨みつけた。
「ねえ本当何勘違いしてるの?女となんて燈人と会った日からヤってないし···」
「嘘ついてんじゃねえよ、さっきまで会ってたんだろうが」
「さっき?」
さっきというと女を思い出したのか眉を寄せる。
「何で知ってんの?」
「仕事で繁華街彷徨いてたんだよ。したらテメェが女連れてホテル入ってくの見えた」
なんかもう赤石にここにいてもらいたくなくて、何かを話してる赤石にもういいと、出て行けと言う。
服の襟を掴んで引き摺るみたいに廊下を無理矢理歩かせて玄関から外に放るように投げる。
「二度と来んな」
「ねえ待ってってば!!」
ドアと鍵を閉めて玄関でしゃがみ込んだ。胸が痛い、本気で好きになるとこんなことがあった時すごく痛い思いをするんだと知る。
「いいよ!!じゃあもう本当に女のとこ行ってやる!!」
外からあいつの怒鳴り声が聞こえてきて、玄関のドアがガンッと鳴った。
もう関係ない、勝手にしてろって思うのに···こんなにも泣きたくなる。
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