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第49話

吸い殻でいっぱいになった灰皿を交換し、酒がなくなればお酌しに行って。 「はぁ···」 「おい、あっち灰皿、山になってんぞ」 「これ意外としんどいんだよ!?みっちゃん行ってよ!」 「嫌だ」 ずっと親父の後ろで立ってるだけのみっちゃん。他の組の奴らも動いてくれたらいいのに何で誰も動こうとしないんだよ! 「何で他のところは動かないのかなぁ」 「俺と一緒の理由だろ」 「ねえ後で親父に怒られても俺知らないよ!?フォローしないからね!!」 そう言ってやったらそれはまずいと思ったみたいでみっちゃんも動き出した。 「赤石、命に頼みてえことがある」 「呼んできます」 そのタイミングで親父にそう言われて、灰皿を替えに行ってるみっちゃんを追いかけて、代わりに俺がやるから親父のところに行ってと言う。 すると頼んだって背中を軽く叩いてみっちゃんは親父のところに戻っていった。 ていうかそこのテーブルの席がちょうど桜樹組の席でちらちらと燈人が視界に入るし、燈人もこっちを見てるし。なんとなくやりづらい。 難しい話も終えて周りはワイワイし出してる。なのに燈人だけ難しそうな顔しててダメじゃんって思うけど伝えることはできないから無視して親父たちのところに戻った。 「ああいう時は俺のこと見ないで周りの空気読んでニコニコしてなきゃいけないんだよ」 「あ?うるせえよ」 夜、燈人の家に来て一番にそう言うとうるさいって怒られてしまった。

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