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第55話
「あのさ、その桜樹組の若頭なんだけど···」
「ああ」
「電話するか直接会って話しするか、どっちがいい?」
「···何でそうなるんだよ」
えへ、と笑うと小さく溜息を吐いたみっちゃん。
「電話したらそう言われたからさ」
「電話する仲なのかよ」
「まあね。で?どうする?」
「んー···会う」
「まじか」
うん、わかった。って返事をすると幹部室に入っていったみっちゃん。またすぐに燈人に電話をかけて会うって。と言えば都合いい時に連れて来いと言われ、わかったって返事した。
「ねえなんで会おうって思ったの」
「電話じゃ誤解するところもあるかもしんねえから」
「···そう」
正直みっちゃんと燈人を会わせたくなかった。それは俺が前みっちゃんと色々ヤったからなんだけど。
「嫌だなぁ」って誰にも聞こえないように小さく呟いた。
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