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第58話

髪が乾くころに眠たくなっちゃってコクリと首を揺らした。燈人が寝るなって言ってるのは聞こえるんだけど、どうにも目が開かなくて。 「寝るなって」 「ん···」 「おい」 「··············」 ふんわり、浮遊感。 燈人の匂いがして心地いい。 「ん···とーり···」 「んー」 ゆっくりと目を開ける。燈人が俺を運んでるみたい。ベッドに優しく降ろされるけれど燈人と離れたくなくて燈人の手を掴んで一緒に寝たいってグイグイ引っ張った。 「俺まだ仕事···」 まだ仕事があるって言おうとしたのかな。それなのに口を閉じて俺の隣に寝転んでくれる。 「···んっ」 燈人にすりすりと近寄れば額にキスをされる。どうせなら口がいいって顔を上げるとちゅ、としてほしいところにキスをくれた。 「ほら、寝ろ」 「うん」 「おやすみ」 「おやすみ···」 ゆっくりと目を閉じた。

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