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第60話

「いってきまーす」 「いってらっしゃい」 嫌そうに仕事に行った赤石。 さて俺も仕事するかってパソコンを出して電源を点けた。 「何するんだっけか」 そうだ、と思い出して羽島に昨日渡されたデータをパソコンで確認する。けれどそんなもの10分もすれば終わって早々にパソコンを閉じてテレビをつけた。 何も音がないよりか少し音がある方が眠れる。ソファーに寝転んでそのまま目を閉じた。 「起ーきーてー」 「···ぁ」 「ねえまさかだけど俺が行ってからずっと寝てたとかないよね?でも昼飯食べた形跡もないし···」 今は何時だろうか、時計を見れば午後7時。嘘だろ、と慌てて起き上がった。 「···寝てた」 「あり得ない、俺はこんなに仕事頑張ったのに」 「悪い···」 本当に悪いと思って急いで風呂を洗っておいだきのボタンを押した。それから飯···と思ったけれど俺料理作れないし··· 「燈人?何そんなに焦ってるの?」 「いや···」 「御飯なら気にしなくていいから。俺が作るからさ、とりあえず落ち着きなよ」 「悪い···」 「ううん、いいんだよ」 強く抱きしめられて「そんなに焦っちゃって、可愛いねぇ」って背中を撫でられる。年下にこうされて落ち着いているあたり、俺もまだまだだなと思った。

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