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第63話
「燈人?」
携帯をもったままでいると風呂から上がったらしい真守が寝室に入ってきて上がった!ってヘラリ笑う。
「おう」
「電話?」
「いや」
俺も風呂に入ろうと立ち上がると突然目の前に真守が来て俺をベッドに押し倒した。上に乗っかられて何だ?と少し困惑。
「なんか、今日冷たい」
「は?」
「キス、してくんないし···」
「それは···」
何か言い難くて口を閉じると、ぶつけるだけの下手くそなキスをされた。
すぐに離れて俺の目をジッと見る真守。目を逸らさずに見てるとだんだんと涙目になっていって焦る。
「何で涙目になってんだよ」
「だって···」
「ちょっと退け。」
上から退かせてポンポン真守の頭を撫でると思い切り抱きついてくる。
「キスしたい。···キスしたいし、好きって言って欲しいし、俺にもっと構ってよ」
「···キスして、俺にスイッチ入っちまったら、仕事で疲れてるお前がしんどいだろ。」
「じゃあ、これからはそれでもいいからキスして。」
「···好きって、面と向かって真面目に言うのも、恥ずかしくてできねえし」
「俺はできるよ?」
「そーかよ。」
「好きって、言って欲しい」
首に顔を埋めて、言って言ってと言う真守に小さい声で好きだと言う。
顔を上げて嬉しそうに笑ってまたキスをしてきた。
口を薄く開けた真守、舌を入れて絡めてるとやっぱりそういう気分になってしまう。
「俺、風呂まだなんだけど」
「いいから、早く」
誘ってくる真守に俺も薄く笑って、真守の着ていた服の裾から手を差し入れた。
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