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第66話
「──ってわけで、こいつは俺の恋人なんだよ」
「は、はぁ···」
説明をすると羽島は少し困惑しながらも理解したのか頷いてい真守を見た。
「あんた、若のこと騙してたりはしないよな···?」
「俺がそんな奴に見える?大体君よく燈人の前でそんなこと言ったよね。燈人を侮辱してることになるよ」
「ち、違うんです!!若!侮辱とかそんなの、するわけないじゃないですか!」
「はーい、羽島君は燈人のこと馬鹿にしたー」
あまりにも騒がしくて頭を抱えたくなる。
「で?なんで急にこの人呼んだの?」
「···実は親父に、結婚しろって」
「え、っと···」
「···跡取りがいるって」
「···あー、うん。だろうね、若頭だし」
真守は自虐気味に笑って頷いた。
「仕方ないよね。それにどれだけ抵抗したとして、これから困るのは燈人と桜樹組だもん」
「おい···」
「うん、仕方ない仕方ない」
「何言ってんだよお前は」
「今なら止められるじゃん?遊びでしたーって。」
変な方向に話が向かってる。真守を止めようと真守の顔をこちらに向けさせ睨むように目を見た。
「お前と別れるつもりなんてねえぞ」
「そんなの俺殺されるかもしれないじゃんかー!桜樹組の親父さんに」
「そんなの···」
「そうなったら、少なからず浅羽組にも迷惑かかっちゃうし···」
「···俺がなんとかする」
なんとか、ってどうするのか自分でも何もわかってないけど、こいつと離れて俺が他の奴と結婚したとして、幸せかと聞かれたら首を縦に振れないから。
「絶対、親父にも認めさせる」
「···もう無理だって思ったら、早くにやめなよ」
「やめねえよ」
俺たちの会話を聞いていた羽島、まずはこいつを認めさせねえといけない。
「羽島、俺らは───···」
「わかりました。俺は若のこと応援します。若がどれだけその人を想ってるか知れたので」
「···ありがとな」
真守はまだなんとも言えない表情だけど、それでも俺は羽島がそう言ってくれたことが嬉しかった。
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