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第69話 真守side
これでよかったんだ。って思ってる。
久しぶりに帰ってきた自分の家は埃っぽい。窓を開けて軽く掃除して···今日はどうしても組に行きたくなくて仮病を使って休ませてもらった。
未だズキズキと痛む腰。その痛みが愛しくて堪らない。ソファーに寝転んで、そうだ、携帯のアドレスを変えて、燈人を着信拒否に設定しなきゃ。と携帯を弄った。
「よかったよかった。これで俺も殺されるかもって不安にならなくていいし···燈人だって何も心配しなくていい。」
長く息を吐いてそう自分に言い聞かせるのに、泣きたい気持ちが溢れてきて止まらない。
また新しい相手を探せばいいって思うけれどその気にはなかなかならない。
「···いつもそうだよねぇ」
俺の本当に欲しいものは手に入らない。
燈人のことは自分から手を離したのにそんなこと言うのかって言われるかも知れないけれど、仕方ないじゃん、若頭だよ?手を離す他に何があるの。
そのまま目を閉じた。
手を伸ばしたら掴んでくれてたあの温かい手はもうない。それでも大丈夫、大丈夫···
「···好きだったよ」
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