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第84話

「おかえり」 初めにそう言って俺の頭撫でたのはみっちゃん。それから早河に八田に中尾におかえりって言ってくれる。 「赤石さんービビらせないでくださいよー」 俺の手に触れた鳥居は何故だか涙目で、それなのに触れられた瞬間怖くて一瞬震えてしまった。それを見て鳥居は多分傷付いただろう。 「ご、めん」 「何がですー?」 「···ごめん」 何を言ったらいいのかわからなくて言葉を探してると燈人に「帰るか。」と抱き上げられた。恥ずかしくてやめろってドンドン燈人の胸を叩くのに···あれ、力が入んない。 「聞いたぞ、熱出てたんだろ。こんな冷たい海に入ったらそりゃぶり返す」 「燈人···」 「ん?」 「なんか、眠たい」 「寝てていい。ずっとお前のそばにいる。」 額にキスを落とされた。じんわり広がる熱が暖かい。不安な気持ちなんて吹き飛んで安心して俺は燈人の腕の中で眠った。

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