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第94話

ソファーに座りテレビを見る。 どさりと隣に座った燈人。ちょっと近寄って肩にもたれ掛かってみたり燈人の手の上に手を重ねて繋いでみたり。 「こういうのってうざい?」 「は?どういうの」 「こうやって、触れてるの」 はぁ、と小さく息を吐いた燈人は「そんなことねえよ」って額にキスをしてくれる。 「むしろ前より甘えてくれて嬉しい」 「嬉しいの?」 「···嬉しい」 燈人の耳が赤くなる、耳朶にカプッと噛み付くと体をビクって震わせた。わっ!燈人、耳感じてる! 耳を舐めてビクビク体を震わす燈人を見て可愛いなぁって遊んでたら内股をスッて触られる。びっくりして動きを止めて燈人からちょっと離れるとなんか軽くドヤ顔されててムカつく。 「びっくりした」 「ああ」 「キスして」 ちょっと距離を取ってしまったから自分から近づいて唇をタコみたいにんー!って突き出した。そこに下手くそかよって笑いながらもちゅってしてくれてフフッと笑ってしまう。 そんなことをしながら幸せだなぁって感じてたら異変に気付いた。 「ね、燈人」 「なんだ」 「···お腹、空いた」 全然感じなかったそれを感じてパッと顔を上げる。お腹空いたと口にしたらもっともっとお腹が空いてきて何でもいいから食べれるものを···って燈人に手を伸ばした。 「···おにぎり作れる」 「それでいいよ」 「待ってろ」 ソファーに寝転んで違うことを考えて空腹を紛らわした。

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