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第107話
幹部室に戻る途中、「おーい」と声が聞こえて振り返ると若がいた。
「おはようございます」
「ああ。もう大丈夫なのか、って聞いたらどうせ大丈夫って言うと思うから、兎に角無理はするなよ」
「はい」
笑って敬礼のポーズをとる。それから失礼しますって逆方向を向いて歩き幹部室に帰ってきた。
みっちゃんが俺に気づいて声をかけてくれる。
「鳥居は?」
「寝ちゃった」
「大丈夫だったか?」
多分鳥居の寝起きの悪さを知ってるから殴られたりしなかったか?ってことだよね。
「あいつ本当性格変わるよね、大丈夫だったよ」
「···そうか」
フッと笑ったみっちゃん。話すことも思いつかなくなってソファーに座り一人でぼーっとしてると八田が隣に腰掛けた。
「これとこれ、終わらせろ」
「うん」
渡されたデータの書いてある紙をペラベラ見た。あ、これ見たことあるやつだ。確か前に組に来た時最後にしてた仕事だ。確かこれをまとめて親父に提出すればいいんだっけ?
「さっさと終わらせるか!」
おっきい声でそういえば早河がうるさいって言うけど、でも優しい言い方だったから何だかあったかいなぁ、って思った。
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