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第111話

「あいつは···燈人のことを慕ってる。だから自分以上の関係なお前に少し嫉妬してるんじゃねえかな。」 「えー···」 「お前らは互いに嫉妬してるんだよ」 それを聞いて少し悩む。 そんなの知らないし、てか俺の方が絶対燈人に愛されてるし。 「今日はどうするんだ?」 「帰らないって、家、出てきました」 「ならここにいろ。」 な、と髪をワシャワシャ撫でられる。俺はなんだか嬉しくなってはい、と言い笑った。 「あ、俺のことは組長さんじゃなくて親父って呼べ」 「お、親父···?」 「何でそんなに不安そうなんだ」 「だって、なんか···。」 なんか、呼びにくいよ。って思ってたら俺の携帯がうるさく鳴った。慌てて組長さんに頭を下げてすみませんと言ったら「いいから、電話だろ?出ろ」って言われて申し訳なくなりながら携帯を確認した。 「あ、燈人だ···」 「出ねぇのか?」 「あ、出たくないです···」 「まあ、いいんじゃねえか?気持ちが整理できたら連絡してやれ」 「···はい」 携帯の電源を切って、落ち着いたらちゃんと謝ろうと思って携帯をポッケに突っ込んだ。

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