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第113話
そうして泣きそうになるのを我慢してたらクシャクシャと髪を撫でられる。それから優しく抱きしめられて思わず体がピクリと跳ねた。
「あのな、嫉妬されるのが嫌だとか、俺は思わねえよ」
「でも、鬱陶しくない?俺、きっとこれからもちょっとした事で嫉妬するよ」
「それだけ俺の事が好きなんだろ?」
「···うん」
「なら、嬉しいよ。でもな、そういう事は口で言ってくんねえとわかんねえから、嫌な事は言え」
顔を上げて燈人の顔を見るとニコリ微笑んでる。うん、って燈人の首に腕を回しキスをした。
「あと、啓介はお前の事見に来たんだよ。お前が出て行ってから嫌われたかもって不安がってたぞ。」
「···ちょっと嫌いだよ」
「そうか」
くくっと喉で笑った燈人は「ほら、家帰るぞ」って立ち上がり俺の手を引く。
「啓介君は?帰ったの?」
「ああ」
「そう。···一応ごめんって謝っておいて」
「わかった」
それから親父さんに帰ります、って燈人と一緒に言いに行ったら笑って「喧嘩すんなよ」って手を振ってくれた。
家に帰って燈人がお風呂に入ってリビングにやってくる。
後ろに立った燈人を振り返ると突然深いキスをされてびっくりした。
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